最終改定日  2008年4月4日

2008年

ポーランドの港湾労働者の紛争終結

ポーランドの港湾労働者、ストに突入

臨時雇いの港湾労働者に新協約

スペイン港湾労働者の反民営化スト


グアテマラ新大統領,ザモラ殺害事件の捜査を約束

欧州港湾の安全対策を!

ETF、欧州委の活動の焦点を労働にあてるよう要求

ネーピア港争議解決


2007年

ネーピア港(ニュージーランド)
反労組の会社に荷役契約を与えるな


グアテマラの港湾労組、選挙で勝利


ニュージーランド港湾労働者の争議、続く

ITF、グアテマラの組合指導者殺害を強く非難



2006年



港湾業最新情報(ポートインダストリー・アップデートPIU)
2006年12月、第5号

釜山港湾労働者『常用化』の一歩
希望退職者に『生計支援金』
15年勤続者に1億2,500万ウォン支給

釜山港運労組「労務供給独占」終わる
労使政が協約締結…埠頭運営会社に改編

カラオ港(ペルー)民営化反対スト

ブルーダイヤモンド抗議行動日

ITF、イラク政府による港湾労組抑圧に抗議

ブラジルの港湾労組、二度目のスト実施

ロッテルダムの港湾労働者、労働時間短縮を勝ち取る

ヨーロッパ港湾労働者の統一ストで、EU港湾自由化指令案を否決(2006/1/18)


   2005年
欧州のフェリー産業に適正水準の賃金・労働条件を!(2005/9/22)
サントドミンゴ港の観光プロジェクト
港湾労働者の雇用が危機
(2005/9/22)
オランダのILO137号条約の批准取り消しに港湾労働者が「ノー」(2005/9/1)
アフリカのPOCキャンペーン・スキルセミナーが大成功(2005/9/1)
アイルランドのフェリー会社 劣悪な労働条件を訴えた乗組員を解雇(2005/7/21)

港湾運送業務の入札停止でムンバイ港のスト終結(2005/7/21)

ペルーの港湾労働者、民営化に抗議(2005/4/7)

イスラエル港湾民営化闘争満足いく協約が締結される(2005/2/25)
ドイツ港湾労組の連帯行動で船員の団体協約が締結される(2005/2/25)
EU港湾自由化指令反対キャンペーン(2005/2/25)
国際運輸労連(ITF)2004年10月11−12日、国際路面運輸行動日の報告 (2005/2/7)
ITFアクションアラート(2005/2/8)
EU港湾自由化指令第二段反対(2005/2/8)
スマトラ沖大地震に関するITFオンライン(2005/1/6)

2004年
インド港湾労組の臨時手当争議 組合が勝利(2004/12/22)
欧州港湾自由化指令第二段をつぶそう!(2004/12/22)
チリ港湾労働者のスト妥結(2004/12/16)
インドの港湾労組、ボーナス無支給に抗議(2004/11/18)
東アジアFOC/PSC(安全)キャンペーン成功裏に終わる(2004/8/5)
POCキャンペーン承認される(2004/8/3)
新EU港湾指令 ETFとの協議を!(2004/7/8)
ISPSコード発効(2004/7/8)
港湾保安を優先せよ(2004/7/14)
シンガポールで開催されたITF港湾部会総会での「港湾保安に関する決議」文(2004/7/14)
イスラエル港のストライキ:広がる支援の輪(2004/7/15)
インドの港湾労働者の勝利(2004/6/24)
ITF、ブラジルの港湾労働者に連帯を表明(2004/6/10)
チェンナイ港湾労働者のスト(2004/6/7)
ITF、ブラジルの組合たたきと闘う(2004/5/19)

パラグアイの港湾改革、ストライキで修正(2004/5/19)
安全を取り戻せ-港湾における安全衛生に関するILO行動規範(2004/5/17)
ロシアのILO条約批准で港湾労働者が新たな権利を獲得(2004/4/22)
空コンの検査を怠るな(2004/4/22)
ITFの港湾改革教育(2004/4/22)
オークランド事件 警察が裁判取り下げ2004年4月22日
東ティモール 事故死した港湾労働者 労働時間は19時間
北米東岸港湾労使交渉、早期妥結
オランダ ILO137号条約批准撤回(2004/2/4)
マレーシアの港湾労組 連盟創設を目指す(2004/2/6)
グローバルユニオンズ、世界社会フォーラムで大活躍(2004/1/29)
港湾ILO三者構成専門家会議 労働側の意見が反映される(2004/1/19)

2003年
欧州港湾自由化指令 欧州議会で否決される(2003/12/2)
ITFのマースク会議(2003/11/28)
欧州議会港湾サービス自由化法案を否決
便宜置籍港:キャンペーンは続く
EU港湾自由化指令 荷役規制条項、削除される
港湾労働者、行動週間中で船主を打倒(2003/9/19)
インドの港湾労働者、勝利を収める(2003/9/19)
ウィーク・オブ・アクション(行動週間):欧州港湾労働者を動員(2003/9/4)
インドの港湾争議(2003/9/4)
ニュージーランドの海運、港湾労組が合併
ニュージーランド、ウェリントン港で48時間スト (2003/7/26)
船員による船内荷役に港湾労働者が警告 (2003/7/23)
ニュージーランド、ブラフ港でピケ (2003/7/18)
タス・ブル逝去  (2003/6/5)
南アフリカ政府港湾改革の見直しを命じる  (2003/5/27)
欧州港湾労働者、欧州指令抗議キャンペーンを重視  (2003/5/20)
ボイコットの通告で船内荷役を食い止める  (2003/5/13)
ITF、スペインの港湾労組のストを支持  (2003/4/8)
 

ポーランドの港湾労働者の紛争終結 (2008年4月3日)

 ポーランドのグディニア港の港湾労働者が、賃金などの問題をめぐり、13日にわたるストを実施していたが、このほど会社側と合意に達した。
 4月1日、グディニア港のバルチック・コンテナターミナル社の取締役会と組合のストライキ委員会は、長時間にわたる協議の結果、合意に達し、紛争は終結した。会社側が提示してきた賃金引上げ案の受け入れを拒否し、500人の港湾労働者が3月20日から無期限ストに突入していた。
 「今回の合意はあらゆる関係者にとっての勝利と言える。ストの間、引き続き支援してくれたITF、欧州運輸労連(ETF)、ラトビア海事労組に感謝している」とITFに加盟する連帯港湾労組のカジミエルズ・ウォルドウスキ委員長は述べた。

ポーランドの港湾労働者、ストに突入 (2008年3月26日)

 ポーランドのITF加盟労組、グディニア港湾労組とバルチック・ターミナル労組の2組合は、3月20日、賃金引上げをめぐり無期限のストに突入した。グディニア港のコンテナターミナルを運営する民営のバルチック・コンテナターミナル社の経営側は、1月に行われた労使交渉の際、5%(119ズロチ(約53米ドル)に相当)の賃上げ案を提示したが、組合はこれを拒否している。組合側は、300ズロチ(約134米ドル)の賃上げに加え、職場での安全規則違反の撤廃、安全面を考慮した、移動クレーンや冷凍コンテナ内作業時の2人体制の復活、アウトソーシングを中止し、技術支援スタッフの残業を許可することなどを要求している。
 ITFのフランク・レイ港湾部長は次のように述べている。「ITFと欧州運輸労連(ETF)は、ポーランドの加盟組合からの連帯要請に早急に応え、適正な賃金と職場の安全確保のために闘っているポーランドの労働者を法の許すあらゆる手段を用いて支援するつもりだ。欧州、そして世界中の港湾労組や交通運輸労組が既にこのストの連絡を受けており、ポーランドの仲間を支援してくれるだろう。  ITFは今後も現地の状況を注視し、ポーランドの組合から頼まれれば、交渉により全ての関係者が許容できる解決法を見出せるよう、対話の準備を進めるため努力する」
 ターミナル運営のグローバル会社、インターナショナル・コンテナターミナル・サービスが所有するバルチック・コンテナターミナル社は、ポーランドの海上コンテナ貨物の大半を取り扱う。グディニア港はバルト海南部最大のコンテナ港。

臨時雇いの港湾労働者に新協約 (2008年3月6日)

 チリの港湾労組が臨時雇いの港湾労働者のために新協約を勝ち取った。
 この協約は2月19日にチャナラル港湾労組(SEMPC)、チリ港湾労働者協議会(CTMPC)、荷役業者のAgemarとの間で締結されたもので、臨時雇いの労働者の労働条件をめぐる争議に終止符が打たれた。
 新協約の下では、臨時雇いの港湾労働者は3ヶ月の雇用と毎月8シフトが保障されるとともに、月額最低賃金も受け取ることができる。これまで、臨時雇いの港湾労働者のシフト数には制限があり、わずかな賃金しか稼げなかった。他港では現在、毎月6シフトとなっている。
 ITFに加盟するイキケ港湾労連(FSTPPI)のジョルジェ・シルバ・ベロン委員長は「Agemar社は重要な点に全て合意した。チャナラル港の仲間は、全国の港の中でも最もよい条件を勝ち取った」と述べた

スペイン港湾労働者の反民営化スト(2008年2月15日)

 スペインのビルバオ港の港湾労働者は、荷役会社の民営化に抗議するストを実施した。
 ITF加盟のUGTとELA-hainbatは2月12日、過半数を政府が所有する荷役会社が民営化されるとの発表を受け、ストに出た。公有企業の荷役独占権の終了は、港湾の民営化を意味し、港湾労働者にも悪影響が及ぶと組合は主張する。民間事業者に日雇い労働者の使用を阻止させるのは、より難しいからだ。
 ITF加盟のCCOO運輸を含む、他の2労組もこのストを支持している。
 ITFのフランク・レイ港湾部長は「ITFと欧州運輸労連(ITFの欧州地域組織)は事態を注意深く見守り、加盟組織から要請があれば、合法的なあらゆる手段を使って、彼らの闘争を支援する」と述べた。


グアテマラ新大統領、ザモーラ殺害事件の捜査を約束
 (2008
年1月30日)

 グアテマラの新大統領は昨年1月にプエルト・ケッツァル港で銃殺された組合指導者、ペドロ・ザモーラ事件の捜査を約束した。
 アルバロ・コロン大統領は29日、グアテマラ・シティーでITF代表団と面会し、事件の捜査を約束するとともに、事件当時のケッツァル港経営陣を更迭すると述べた。事件はザモラがケッツァル港民営化に反対していたことと関連があるとみられている。
 大統領との面会は、国際労働組合総連合(ITUC)主催の「無罪放免を許さない−労働組合の役割」という会議の開会式で実現した。この会議には中米諸国、米国、欧州から組合活動家150人が参加したほか、米国、ベネズエラ、アルゼンチン、メキシコ、欧州の大使や外交官も参加した。
 14日前に就任したばかりのコロン大統領は無罪放免を許さないことを約束するとともに、労働組合の支援を受けながらグアテマラをしっかりとした民主国家に築き上げる決意を表明し、「労働組合の役割は不可欠だ。全ての産業で組合員数を増やそう」と述べた。
 ITFのスチュワート・ハワード書記次長は「ペドロが残虐に殺害されてからちょうど一年後に、何らかの改善を約束する言葉がコロン大統領から発せられたことを心より歓迎する。われわれはグアテマラで正義を追及する全ての人々との共闘を約束する」と語った。
 ITFがグアテマラに代表団を派遣したのはこれで3度目だ。過去2回の代表団派遣は、脅迫されている活動家を守り、ザモラ事件の政治的性格を暴き、プエルト・ケッツァルの労働者の権利を守るのに一役買っている。


欧州港湾の安全対策を (2008年1月24日)

 ITFの欧州地域組織、欧州運輸労連(ETF)は欧州委員会(EC)に安全衛生対策をEU港湾政策の中心に据えるよう要請した。
ETFは1月18日にイタリアで発生した荷役作業員2名の死亡事故を受け、ECに港湾の安全衛生対策を早急に実施するよう要請した。欧州の港湾では他にも死亡事故が発生しており、安全性に対する懸念が高まっている。
 EU加盟国は既存の安全衛生規則を実施する義務を負っているが、規則を厳格に適用させる責任も果たさなければならないとETFは声明の中で訴えている。
 死亡した作業員はベニスのマルゲラ港で船内荷役作業中に事故にあった。事故後の週末、イタリアの交通運輸労組、Filt-Cgil、Fit-Cisl、Uiltrasportiは合同で全国ストを実施し、イタリア全土の港湾が事実上、マヒ状態に陥った。3労組はジェノバ港、ラベンナ港、ナポリ港のみに適用されている、安全に関する枠組み法を全港に適用させることを要求している。現在、次なる行動を検討中だ。
 ETFのフィリップ・アルフォンソ港湾政治部長は「港湾のようにEU経済に不可欠な産業で労働者の安全が保障されないなど、あってはならないことだ。港湾の高い成長率に労働者も貢献している。安全性を犠牲にして生産性が追求されてはならない」と語った。

ETF、欧州委の活動の焦点を労働にあてるよう要求 (2008年1月11日)

 ITFの欧州組織である欧州運輸労連(ETF)は、欧州委員会(EC)が、港湾政策の焦点を「より多くのより良き雇用の創出」にあてるよう、呼びかけている。
 今後の港湾政策に関するECの発表を受け、ETFは、委員会の政策の焦点が港湾サービスの自由化から港湾産業全体の枠組みづくりへとシフトしたことは歓迎するが、ETFが推進する「より多くのより良き雇用の創出」が、ECの政策文書にもっと全面的に盛り込まれるよう期待している。
 ETFは、ECに声明を提出し、ECが欧州全土の港湾産業を対象とする最高レベルの訓練と資格基準を促進するよう求めた。ETFは、ECが発表した文書では、安全衛生に関する措置が何ら言及されていない点に遺憾を表明し、最善あるいは最悪の慣行に関する情報や、関連情報を収集するために調査を行うよう委員会に求めた。
 ETFのフィリップ・アルフォンソ港湾政策部長は、次のように述べている。「現在までのところ、ECは活動計画を明らかにしたに過ぎない。中核的港湾政策は今後発表されることになる。そのため、ETFは各国、各地域の特異性を尊重するよう呼びかけ、また、訓練や職場の安全衛生を向上させるための共通の枠組みづくりを求めている。近日開催される産業別部門対話委員会では、EU港湾産業の社会的パートナーが一堂に会することになり、これらの重要な問題や他の社会問題を話し合うまたとない機会となることは間違いない」
より詳細な情報については、以下のウェブサイトを参照のこと。
https://www.itfglobal.org/files/seealsodocs/6470/ETF%20Position%20Paper%20on%20a%20European%20Port%20Policy.pdf

ネピア港争議解決 (2008年1月9日)

 荷役作業の外注計画をめぐるネーピア港(ニュージーランド)の争議は1週間のストを経て合意に達し、地元港湾労働者の雇用が守られた。
 ITF加盟のニュージーランド海運労組(MUNZ)は、ポート・オブ・ネーピア社の荷役外注計画で危機にさらされていた常勤25人、非常勤60人の雇用を守るために、先月、1週間のストに出ていたが、12月21日の午後、MUNZと会社側で話し合いがもたれ、合意に達した。ストには他港の船員や港湾労働者も応援にかけつけた。
 MUNZのトレバー・ハンソン書記長は「船社の側にも雇用の安定した港湾会社を使ってもらいたかった。船社も争議の解決を望んでいた。われわれはそれを与えた。今やネーピア港は元通りに動いている」と語った。
 また、「組合員に約1週間、ゲートの前でピケを張らせた。彼らが明日も、また将来も仕事を続けられることに安堵感を覚えている」と続けた。
 従業員は直ちに仕事を再開し、作業の遅れを取り戻すために24時間勤務で対応した。
ハンソン書記長は、勝利の要因はゲートの前で24時間ピケを張った地元労働者の根気と、他労組やナショナルセンターのニュージーランド労働組合評議会(NZCTU)の応援、オーストラリア海事組合(MUA)やITFを始めとする強力な国際連帯にあると振り返った。

ネーピア港(ニュージーランド)
反労組の会社に荷役契約を与えるな
 (2007年11月14日)

 ITFに加盟するニュージーランド海運労組(MUNZ)は、ネーピア港のポート・オブ・ネーピア・リミテッド社が荷役契約を反労組のISO社と締結する計画は、ホークス・ベイ・ステネドアリング・サービス社の常勤25人、日雇い60人の雇用を脅かすと考えている。
 MUNZ幹部は11月8日にポート・オブ・ネーピア・リミテッド社のガース・コーウィーCEOと話し合いをもったが、解決には至らなかった。
MUNZのトレバー・ハンソン書記長は交渉を継続するかどうかを執行委員会に諮るとし、「満足のいく結果が得られなければ、ストも検討せざるを得ない」と語った。
 ITFのフランク・レイ港湾部長はMUNZに宛てた連帯のメッセージの中で「ITF港湾部会と世界中の港湾労組は、荷役契約が反労組の会社にわたることで、ネーピア港の組合員が解雇の危機にさらされるのを黙って見ているわけにはいかない」と述べ、「ネーピア港や他の港で働くMUNZ組合員を支援するために、あらゆる合法的手段を調査・検討する」と約束した。
 MUNZは本件に関して、オーストラリア海事組合(MUA)と連絡をとりあっているほか、同じくネーピル港を組織する鉄道海運労組(RMTU)からの支持もとりつけている。



グアテマラの港湾労組、選挙で勝利 (2007年11月15日)

 ケッツァル港の港湾労組、STEPQは10月26日、信任選挙に勝ち、同港の労働者を代表する権利を再び確保した。グアテマラの労働法や労働組合規則によると、労働組合は2年毎に執行委員会と諮問協議会の選挙を実施しなければならない。ケッツァル港の民営化に強く反対し、暗殺されたペドロ・ザモラ前委員長の兄弟であるジュリオ・セザール・ザモラ・アルバレスが80%の得票率を得て、書記長に選出された。
 STEPQは、信任を得たことで、反民営化やザモラ前委員長の犯人逮捕など、さまざまな課題に引き続き取り組むことができるとしている。
 STEPQのオスカー・ギオヴァニ・ゴンザレス・ドナド記録部長は「選挙結果はケッツァル港の労働者にとって朗報だ。STEPQが引き続き彼らの権利を擁護し、家族を含めた身の安全の確保に取り組むことを意味するからだ。今回の選挙は、ザモラ前委員長の殺害後に実施されたという点で重要な意味をもつ。投票率が9割を超えたのも組合史上、初めてのことだ。労働者はSTEPQにもっと強くなってほしいと願っている」と語った。
 ゴンザレス記録部長は、今月初旬の大統領選挙で中道左派のアルバロ・コロンが勝利したことも歓迎し、「グアテマラの労組はこれで暴力、無罪放免、癒着、人権侵害の歴史に終止符が打たれると期待している」と述べた。コロン大統領の就任は、特にSTEPQにとって、人権や民営化をめぐる政府との協議に道を開くものとして、期待が高い。

ニュージーランド港湾労働者の争議、続く (2007年10月18日)

 昨日(17日)ストを実施したニュージーランドの港湾労働者が、賃金と労働条件をめぐる抗議運動を強化し、今後も一連の活動を計画している。
 ITF加盟のニュージーランド海事労組(MUNZ)に加入するオークランド港の港湾労働者は17日、組合が拒否している会社からの3.25%の賃上げ回答を象徴し、3.25時間のストを実施した。同組合は、今月8日にも3.25時間ストを、その前週には2日間にわたるストを実施しており、250以上の港湾労働者がこれらのストに参加した。また、22日にも3.25時間ストを実施すると宣言している。MUNZは、4.5〜4.9%の賃上げと、未払い賃金の支払いを要求している。
 港湾会社は、組合の承認を得ずに、3.25%の賃上げ率で計算した給与を既に港湾労働者の銀行口座に振り込んだとMUNZは報告する。
 MUNZオークランド第13支部のデニス・カーライル支部長は、「港湾労働者が会社側の戦術を見抜いていることは明らかだ。労働者は一致団結し、真の労使交渉による労使合意を目指す決意でいる。労使交渉を避けようとする会社の戦術を受け入れるつもりはない」と述べる。
 「労使交渉が行われていたが、会社側は妥結に向け必要な『発想の転換』ができていなかった。組合は、会社が考えを改めると確信している。組合の要求は、理に適ったものであり、会社が組合の話を聞く気持ちになれば、いつでも交渉に戻る用意がある」とカーライル支部長はつけ加えた。
 ITFは、オークランドの港湾労働者に対する全面的支持を表明している。

ITF、グアテマラの組合指導者殺害を強く非難 (2007年1月17日)

 ITFは、月曜日(15日)にグアテマラのケッツァル港で組合の指導者が死刑のような形式で射殺されたことに強い怒りを表明している。
 ITFに加盟するケッツァル港湾労組(STEPQ)のペドロ・ザモーラ書記長は、2人の息子を病院まで迎えにいった際、待ち伏せしていた攻撃者に銃撃された。
 ザモーラ書記長は、100発ほど撃たれた後、至近距離から顔を撃たれている。3歳の息子、エンジェル君もこの時に負傷した。
 ザモーラ書記長の殺害は、彼がケッツァル港で雇用を守るため活動していたためと見られている。ケッツァル港で労使紛争が発生した際には、会社から依頼を受けた警察が港に乗り込み、ザモーラ書記長を威嚇したと報告されている。
 ITFのコックロフト書記長は、右派の暗殺集団が長らく好んできた「顔面への発砲」など、準軍的な殺害手口を強く非難し、「卑劣極まりない行為であり、これほど卑怯な手口はない」と述べた。
「ITFも、国際社会も、かつて余りにも多くの事件がそうであったように、この事件をうやむやにさせることは許さない。ザモーラ書記長はITFの貴重なメンバーであり、家族にも愛され、ケッツァル港湾労組の良き指導者であった。家族、友人、同僚の皆さんとともに、書記長の死を悼む。同時に、これで終わりにしてはならないことを忘れてはならない」とコックロフト書記長は述べた。
 昨年10月、ITFは労働者の解雇をめぐり発生した労使紛争で、警察が冷酷な戦術を採用したことを非難する抗議文をグアテマラ政府に送り、併せて国際労働機関(ILO)にこの件を報告した。ILOはグアテマラで過去に起きた組合活動家の殺害事件について、これまでも糾弾してきている。
ザモーラ・キャンペーン、ますます拡大(2007年1月29日)
 グアテマラのケッツァル港湾労組(STEPQ)と、暗殺されたペドロ・ザモーラ書記長に対する正義を求めるITFキャンペーンは、国際支援の高まりとともに劇的な広がりを続けている。
 金曜日(26日)には、国際労働組合総連合(ITUC)とITFがこの殺人事件を国際労働機関(ILO)に共同提訴した。
 1月15日の暗殺の後、ITFはキャンペーンを開始したが、既に何千人もの支援者が参加している。中でもスペイン、日本、タイのITF加盟組合は即刻行動を起こし、組合員に対してキャンペーン情報を広めた。先週ナイロビで閉幕した世界社会フォーラムに出席していた組合もこの正義を求めるキャンペーンに参加した。
 1月24日には、ベネズエラの全国テレビがザモーラ書記長の暗殺を特集した討論番組を放送した。アルゼンチン労働法制委員会のペドロ・リカルド委員長は、グアテマラのベルシェ大統領に書簡を送り、基本的人権を保障するよう訴えた。
 スペインと英国の緑の党は、ITFキャンペーンを支援し、スペインの社会党系の欧州議会議員は欧州議会で本件を問題提起した。 欧州連合(EU)は「バモス・グアテマラ(グアテマラに行こう)」と題するグアテマラ政府の開発計画を援助しており、グアテマラ社会の公正さの確保と保安改善のための開発資金のほぼ半分が欧州からの援助で賄われている。


港湾業最新情報(ポートインダストリー・アップデートPIU)
2006年12月、第5号

目次
1. 港湾部会近況
2. 安全衛生
3. 業界トレンド
4. 南北アメリカとカリブ海地域
5. アジア・太平洋
6. アフリカと中東
7. 欧州

1. 港湾部会近況
モロッコ港湾のリストラで2,000人の職が脅威

 モロッコ政府が港湾改革の一環としてモロッコ運輸労働組合組合員であるおよそ2,000名の港湾労働者の解雇を計画していることに対し、ITFは非難を行ってきている。モロッコ政府に対し書簡を出して、このように大規模な人々の生計を失なわさせ、労働者自身のみならずその家族にも影響を与えるということは、そもそも政府の改革過程に対する管理能力と労働者の福祉に対する姿勢を疑わせるものであると指摘している。特にこの何ヶ月か組合が受け入れ可能な解決を目指して交渉継続に努力してきたにもかかわらず、港湾労働者の懸念が全く省みられなかったことからもこのことは明らかである。これらモロッコ人労働者に対しては、欧州運輸労働者組合、フランスのCNPTA,スペインのTCM UGT, アラブ世界労組からも支援が寄せられており、これら団体はモロッコ政府に対し抗議の書簡を出して政府決定の持つ重要な社会的影響に懸念を表明すると共に、同政府に正当な解決に繋がる意味ある交渉に参加するよう呼びかけている。

コスタリカ港湾労働者、激しい武力行使に打ち克つ
 コスタリカ港湾労働者は二つの港でストライキを行った結果、かれらの当面の要求全てにこたえる協定について政府との間で合意し、大きな勝利を勝ち取った。ITF加盟組合のコスタリカ港湾組合SINTRAJAPの港湾労働者は港湾改革計画に関して政府から十分な相談がなかったことに抗議、また団体協約の条件が尊重されるべきことを要求した。彼らはリモン港とモイン港において9月25日順法闘争を開始した。これに対して当局は手荒い方法で対応、300人の警官と警備員を派遣して組合員から荷役労働を奪い取ろうとした。攻撃や脅しにさらされながらも、労働者たちはストライキを続行した。10月27日になって、劇的な転回が起こり、組合は政府との協定合意に達することとなった。交渉成立後ストライキは中止された。港湾部会では緊急行動を呼びかけコスタリカ労組の支援を訴えてきた。 ITF港湾部会委員会はコスタリカとグアテマラ(下記参照)で攻撃を受けている組合に対する支援を呼びかける決議も採択した。さらにITFとその姉妹機関の国際食品労連(IUF)はコスタリカの港とグアテマラのクェツァイ港を使っている果物会社に働きかけた。交渉はまだコスタリカで続行しているので港湾部会は米州間地域事務所の協力を得て事態を監視していく意向である。

機動隊、グアテマラの港に侵入
 10月、ITFはグアテマラ大統領に手紙を出し、クェツァイ港の差し迫った危機状況に抗議したが、これはITF加盟のクェツァイ港湾労働者組合(STEPQ)のストライキ行動に対し300人の武装した機動隊が港を占拠したためであった。組合の行動は港の民営化計画、会社の団体交渉拒否、組合活動弾圧に抗議したものである。組合は更にまた港湾当局トップの首のすげ替えを要求している。組合は9月11日港湾会社との間で対話が不成立に終わったため、合法的な職場集会を開始した。これに対し10月9日の朝4時に政府は警察を介入させた。クェツァイ港の労働者はその後かなりの期間、港湾会社からの絶え間ない抑圧の被害を被ることとなった。警官は組合の指導者を攻撃、特に書記長は武装した警官に追いかけ回された。グアテマラは労働組合員にとって世界で最も危険な国の一つであり、毎年多くが殺害されている。ITF港湾部会はアクション・アラート(緊急行動)を発令し組合に対する連帯行動を呼びかけた。同港を利用しているバナナ会社もIUF の支援の下、組合からの働きかけを受けた。最近になってグアテマラ政府は交渉のテーブルにつく準備ができたことを示唆してきた。港湾部会は今後もグアテマラの状況を監視していく意向である。

港湾労働者評議会の閉鎖でカラチの港湾労働者に危機
 ITFはパキスタン港湾大臣へ書簡を出し、民営化措置の一環としてカラチ港湾労働局(KDLB)の閉鎖が差し迫りつつあることへの懸念を表明した。3,749人の労働者の生活とその家族の将来はこの決定により危機に陥っている。 ITF加盟のカラチ港湾労働者組合による政府との対話開始の試みも何ら肯定的な成果をもたらすことはならなかった。 ITFはパキスタン政府に対してKDLBを閉鎖する計画を見直すよう要請すると共に、全ての関係者の利益につながる組合との協議の開始を緊急措置として求めた。ITF港湾部会はカラチ港において主要な組合が港湾労働者の権利を守る闘いに参加するため港湾労働者同盟を結成したとの情報を得た。部会はこのきわめて前向きな進展を歓迎し加盟団体のキャンペーンを支援していく意向である。

結社の自由違反でスリランカからILOへ提訴
 運輸労組と港湾労組を含むスリランカ労組のいくつかは、最高裁がその合法的なストライキ行動を中止させ、警察と軍隊を配置してさし止め状況を監視するよう命じたことから、結社の自由違反を理由にILOへの不服申し立てを行った。ITF書記長のデビッド・コックロフトはこの二つの組合に書簡を出して支援を約束するとともに、ILOへの提訴を支持する旨表明した。

全国港湾、秋田港における労働条件確保闘争に勝利
 日本の全国港湾労働組合協議会は港湾業における国の規制緩和に直面しているが、職の確保並びに労働条件を守るキャンペーンに勝利することとなった。規制緩和の結果、荷役作業へはどの会社でも自由に新規加入ができるようになっている。しかし組合は今のところ非組合員を使用しようとする会社の新規参入には反対している。今回の能代運輸が秋田港に新規参入しようとした試みは、全国港湾による一連の抗議行動として強い抵抗に遭遇することとなった。能代運輸は結局参入を断念し、荷役業参入の申請を取り下げた。

地域連帯、ニュージーランドの物流労働者に対するパリティ支払いを勝ち取る
 ニュージーランドの物流労働者は使用者側にロックアウトを食らっていたが、国民と組合の支援を得て会社側に再考を迫った結果、9月末になってパリティ支払いを勝ち取る闘いに勝利した。全国物流組合(NDU)とニュージーランド・エンジニア・印刷・製造組合の組合員はスーパーマーケット経営のプログレッシブ・エンタプライズ社との三年間の協定を承認した。争議の間ニュージーランドとオーストラリア(親会社のウルワース社はオーストラリアの会社である)のITF加盟組合は、連帯行動を取りかつ資金提供を行った。参加した組合には、ニュージーランド海事組合、ニュージーランド鉄道海運組合、オーストラリア海事組合、鉄道・バス組合、運輸労働者組合が含まれる。

ILWU の支援で船員側勝利
 9月、パナマ船籍の商船エンドレス号に乗船中の18人のフリッピン人船員は、カニフォルニアのロングビーチ港で賃金未払いに抗議して4日間のストライキを行った。国際港湾倉庫労働者組合(ILWU)の組合員とロサンゼルスとロングビーチの海事関係者がこの抗議を支援した。ロングビーチで働くILWUの組合員はさらに大型運搬船の積荷をさばくことを拒否してピケラインを守った。船舶のギリシャ人船主は船員を対象とするITF協約の条件違反を行っており、緊張した交渉の結果、総額22万7千ドルを乗組員に支払い、かつブラックリストに掲載するようなことはしないと約束しつつ彼らを本国へ帰すことに合意した。本件はまたもや港湾労働者の連帯がITFのFOCキャンペーンの根幹を成すものであり、船員が正当に自らのものである賃金を勝ち取るのに、港湾労働者の支援が大きな助けになることを示す結果になった。


2・  安全衛生
港湾クレーンに間違ったボルト

  ヒューストン・クロニクル紙の9月掲載の記事によれば、ヒューストン港に新設された港湾コンテナターミナル建築物の安全確認を行っていた検査官は、巨大コンテナのクレーン四台につき1,440個もの間違った種類のボルトの取り付けがあったことを明らかにした。結局6,000個近いボルトがスペックの基準以下として取り替えられることとなった。港湾当局局長はもし問題のあるボルトが点検なしにそのままに放置されていたら、ターミナル開業の暁には安全上の問題を抱えることとなっただろうと指摘している。クレーンを製造した中国企業の上海ツェンハ港湾機械工業は、無料でボルトの付け替えを行った。

海運会社、危険貨物のルール破り
 国際的な調査によれば海運会社は海運により運ばれてくるコンテナに関して危険貨物のルールをまもっていないことが明らかになった。なんと三本に対して一本の割合で規制が遵守されておらず、意図的にか誤ってか荷物には間違った表示が付けられていた。25,000本のコンテナを開けて点検したところ、32%が危険貨物のルールに違反しておりその貨物の取り扱いを中止せざるを得なかった。米国貨物局の会長で国際海事機関(IMO)危険貨物小委員会の代表ジェームス・マクナマラから9月にこのことが明らかにされた。彼は間違った荷札の取り付けにより船員が命を失うことになるにもかかわらず、この問題を取り上げようとする人はほとんどいないと指摘している。コンテナの安全性は明らかに港湾労働者の関心事項でもある。

3. 業界トレンド
港湾の安全

 「2006年全ての港における安全と責務に関する法律(安全な港の法SAFE)」が米国において10月法制化された。港湾安全許可制度に加え、法案は米国の港で働く労働者に対する運輸労働者IDカード制度実施の加速と通関検査官の追加雇用を定めている。更にまた、国内の最も大きな港22箇所に2007年末までに放射性探知機を設置することと、全ての米国向けコンテナ非接触型検査に向けた試験的試みも定めている。今後ロサンゼルス港とロングビーチ港では、トラックが港を出る際にコンテナに核物質がないかを検査するための移動式放射線検知器などのスキャナー検査を明らかに今よりもっともっと受けることになるだろう。しかし、評論家はコンテナはターミナルを出るときではなく、入ってくるときに検査されるべきであるとする。コンテナが到着したときにチェックする体制の必要性については、米国のみならず各国の組合でも議論されてきている。
  カナダではモントリオール港の港湾労働者を代表するITF加盟港湾労組が米国と欧州の港湾・海運関連組合に対して10月公開書簡を送り、毎日何百もの空のコンテナがモントリオールの港に検査を受けることもなく入ってきており、港とこれらの貨物を取り扱う労働者に非常な脅威を与えている事実に注意を喚起した。これはモントリオール・ゲートウェイ社が経費節減のため、港の玄関口から安全点検の検査官が検査を行うターミナルまでの間においては空コンテナの検査を排除した結果による。労組はこの動きが港の評判を傷つけ、また米国と欧州のパートナーとの関係を損なうのではないかと恐れている。どの国の政府も今のところ、港湾労働者がテロリストの脅威を防ぐにあたって極めて重要な役割を果たしてきているという単純な事実に気付いておらず、新自由主義者たちが経費節減と組合弱体化を安全保障より重要課題とし続けていることにも気付いていないように思われる。

アジア、マースクの主要ハブに
 マースクラインはオセアニアでのサービスを2007年初めから変更すると発表したが、これは全世界に影響をもたらすことになろう。欧州とオセアニア間は運搬船の直行サービスが終了し、全ての貨物はマレーシア(タンジュン・ペレパス)・シンガポール間をマースクが運航する専用積み換え便でつなぐ。この積み換え地において同社が利用できる広範なグローバルネットワークを通じたサービスを提供していくということに焦点がある。これにより同社は、次の通り直行便が可能となる:アフリカとの間で3専用往復便;南米太平洋岸との間で1専用往復便;欧州(北ヨーロッパ、地中海東部と西部、黒海と北アフリカ)との間で7専用往復便;南アジアと中東との間で3専用往復便。オセアニア・南北アメリカ/米国東海岸との間では、このサービスは現在の欧州便とは切り離され、米国東海岸との往復便が毎週一便運航される。東海岸における現行フィラデルフィア・サバンナ航路に加え、ノフォークへの直行便も始まる。マースクラインはさらにニュージーランドへのサービスを拡大させニュープリモスとティマルへの直行便を始める。アメリカ航路網の全面的統合も続けられ中南米とカリブ海の港の週便が可能となる。オセアニアからの乳製品と果物を取り扱う季節限定の運搬船のサービスも展開される。

4. 南北アメリカとカリブ海地域
エバグリーン、カリブ海地域のハブ港を計画
 エバグリーン社がカリブ海地域に新たなハブ港をつくる予定で、プエルトリコ、ドミニカ共和国、ジャマイカ、バハマをその候補地として考えていることが報告されている。この構想はアジアと西半球をスエズ運河経由でつなぐ2008年の新たなルート開設計画の一環といわれている。今後作られる新たな施設はすべて、パナマ運河のコロンにある既存のコンテナターミナルを補完することになる。

北米の港トップ10
 コンテナリゼーション・インターナショナル誌は、2006年1月−6月期において米国、カナダの主要玄関港が取り扱ったコンテナ積荷量は総計2千158万TEU に達したと伝えている。コンテナ取扱量のトップ10の港は次の通り。ロサンゼルス(462万TEU,10.2%増);ロングビーチ(411万TEU,10.5%増);ニューヨーク/ニュージャージー(210万TEU,10%増);オークランド(136万TEU,7.8%増);バンクーバー(123万TEU,25%増);サバンナ(121万TEU,15.1%増);タコマ(116万TEU,3.6%増);チャールストン(115万TEU,1.4%減);シアトル(112万TEU、3.7%増);バージニア(111万TEU,5.2%増)

ハッチソン社、エクアドル積み換えハブ港に投資
 HPH社はエクアドルのマンタ港を南米太平洋岸における最大の積み換え港にしようとの意向で投資を開始する。同社は30年間の営業権に対する唯一の入札者であった。HPH社専務取締役によれば、マンタはアジアと南米との間の貨物積み換えの極めて重要なセンターでかつ太平洋・大西洋基幹運航路の玄関口になるだろうとのことである。南米大西洋岸でアジアに最も近い港として新ターミナルは二つの地域間で伸張しつつある貿易から利益を享受することとなろう。

5. アジア・太平洋
OOCL社と韓進社、ターミナル売却へ

 香港に拠点を置く海運会社OOCL社と韓国の韓進海運は、自社所有の海事ターミナルのいくつかを売却することを検討している。UBS投資銀行はカナダと米国にある4箇所のOOCL社ターミナル−子会社のTSIターミナルシステム社が経営するバンクーバーのバンテルムとデルタポート、スタテン島にあるニューヨーク・コンテナ・ターミナルとニュージャージーにあるグローバル・コンテナ・ターミナル−を売却する可能性について助言を与えるため同社から指名された。OOCL社は事業にとって戦略的価値のある米国のロングビーチ・ターミナルや台湾の高雄のターミナルおよび中国の寧波、天津にある施設は維持していく意向である。一方韓進社の方は考えがはっきりしない。伝えられるところによれば代替案を検討中といわれ、ターミナルの部分的売却もその一つという。ハイジン社は多くの国でターミナルを経営しており、その中には韓国の釜山、光陽、台湾の高雄、日本の東京と大阪、米国のロングビーチ、オークランド、シアトルが含まれる。

ICTSI社の拡大
 フィリピンに拠点を置きターミナル事業を経営するICTSI社は、インドネシア、マカサル港で海貨事業とターミナル事業を管理する会社の過半数の株を獲得しインドネシアの港湾市場へ参入した。10月同社はその海外拡大計画のための軍資金として、信用機関との1億2千万ドルの契約を締結した。会長及び社長によれば機関は同社の国際ターミナル・ネットワークの拡大を容易にするために特に作られたものという。ICTSI社はアルゼンチン、エクアドル、インドネシア、オーストラリア、中国などの国々で幅広い計画を進めるため入札の機会をうかがっていると報告されている。同社は最近シリアで営業権を買い取っている。

カラチの深水港湾計画へ大いなる関心
 カラチの深水コンテナ港建設案への関心を表明する期限が延期され、その結果契約への入札は9社となった。当初入札した6社は、港湾経営企業のPSAインターナショナル、ハッチソン・ポート・ホールディング社、APモラー−マースク・グループ、DPワールド、ICTSIとパキスタン・インターナショナル・コンテナ・ターミナルである。これに他の3社が加わったが、その3社とは、アラブ首長国連邦貿易庁(ETA)およびETA- アスコンのコンソーシアムのガルフテナ、KASB証券、メガテック、フォーブス・グループのコンソーシアムのヌア・フィナンシャル・インベストメント及びポート・ワールド・ロジスティックスとRGLポート・インターナショナルである。申し込み期限の延長はカラチ商工会議所の要請による。深水港は民間企業の参加を得てケアマリ・グロインにおいて建設される。

6. アフリカ・中近東
新設備でモンバサ港改善

 新しい貨物取り扱い用機械はケニア、モンバサ港における貨物積み下ろし作業を大きく改善することとなった。当たり前のことであるが、多くのアフリカの港では効率の問題は不十分な設備・機械と直結している。同港が扱う貨物のほとんどはウガンダ向けであるが、スーダンの国の再建が進みその石油油田の開発が進めば、同国行きと同国からの貨物も増加していく見込みである。日本開発協力銀行は現在2000年に行われたモンバサ港のコンテナ取り扱い能力増強計画に関する可能性調査の見直しと更新に融資を行っている模様であるが、この計画には新たなコンテナ・バースとヤードの建設が含まれている。労働組合はこの調査の更なる詳細と拡大計画への融資の状況について情報を入手する必要があろう。

マプート港、東アジアとの直行便を模索
 モザンビークのマプート港は中国シッピング・コンテナ・ライン(CSCL)を含むいくつかの海運会社と東アジアの港との直行コンテナ網を作るための交渉を行いつつあり、同港では南アフリカにとっての良港として選ばれるための障害克服に向けて努力が続けられている。マプートは国境越えの遅延が問題であるが、南アフリカのGautengとの貿易のためには明らかに地域のどの港よりも近いし、最も距離の短い航路が確保される。フェアプレーによれば、もしこの問題が解決すれば、新たに浚渫された港があることや民間企業がグローバルな事業を展開していること、特に南アフリカのムプマランガとリンポポの豊富な鉱物資源地域でかつ農業地域であるGauteng への距離がダーバンやリチャーズ湾と比べて近い事実などからみて、理の当然としてマプートに太刀打ちできるところはなくなるだろうとのことである。

エジプト、港への投資誘導を計画
 伝えられるところではエジブト運輸大臣は国内の港湾の基本計画を作りその計画の実施に民間からの投資を誘導したいとしている。大臣は港湾の全てのサービスと管理を民営化して他のアラブ諸国の港例えばドバイなどに対抗したい意向である。サィード・イースト港はインフラの開発振りから見て王冠の宝石に例えられており、港湾当局は計画を進展するため可能性調査を行うコンサルティング業務に対する国際的入札を募集している。

APMT社、バーレーン港のターミナルを経営
 APMターミナル社は、バーレーンのミナ・サルマンとカリファ・ビン・サルマン港の25年間の営業権を獲得した。新しい港湾施設の建設は2008年後半までには完成する見込みである。APMターミナル・バーレーン社は、APMターミナル社(80%)とYBAカノー・ホールディングス社(20%)との合弁会社である。

7. 欧州
欧州の海港政策

 2006年6月、欧州委員会は今後のEC海洋政策の異なった側面についてグリーン・ペーパーを発表した。港湾総合計画(港湾パッケージ)1及び2の失敗からEC運輸委員会は、港湾産業の関係者を招いて欧州海港機構と共同で7回のワークショップを開催することとしている。このことによりECは、港湾政策に関する社会的な対話を確保することができると見ている。ワークショップの第一回はアントワープにおいて2006年11月に開催される予定であるが、その後は、ハンブルグ、リスボン、バレンシア、ナポリ、タリン/ヘルシンキで2007年前半6ヶ月に集中して開催される。コンサルティングのためのワークショップ開催2週間前には委員会はかならずワークショップの議事日程を示した書類を作成すると思われる。ワークショップでは次の課題が取り上げられる:港湾サービス、港湾への融資、持続的開発、港湾内部運営上の障害、EU外の港との競争、港湾部門の事前対策への姿勢、海港の良いイメージ作り。ETF及びITF、ITF加盟組合はこれら会合に出席の上、港湾パッケージ3に反対するキャンペーンが必要になった際に備えて準備に取り掛かる必要がある。

ユウロゲート社、HHLA社の株取得へ
 ハンブルグ州政府は11月6日、HHLA社の株44.9%までを売却する全欧州を対象とした入札を開始した。HHLA 社はハンブルグ港で3箇所のコンテナターミナルを経営しており、同港ではナンバーワンの荷役企業である。同社はまたコンテナ・ターミナル・リューベック社を通じドイツ最大のバルト海沿いの港リューベックにも権益を有している。HHLA社の主要な競争相手で、すでにハンブルグ港でコンテナターミナルを経営しているユーロゲート社はHHLA社の株大量取得のため応札する意向である。ユーロゲート社はブレーメンに拠点を置くBLG社の所有であるが、BLG社は依然ブレーメン州政府とEurokaiの支配下にある。入札には他の投資家からも強い関心が寄せられているとの報告もある。

旧東欧圏において巨大インフラ建設計画
 欧州復興開発銀行(EBRD)が旧東欧圏中のインフラ建設計画に活発に支援を行っていることが報告されている。特に港湾、地域またはハブ空港を五カ年戦略計画の目標としており、これは本年初めにロンドンでのEBRDの年次総会において承認された。EBRDの投資額の40%までがロシア向けであるが、すでにブルガリア、グルジア、アゼルバイジャンの民営化計画への支援が実施されてきている。

APMT社と上海国際港湾グループ、ZEEBRUGGEの遠洋コンテナ開設
 APMターミナル社はZeebruggeにおいて遠洋船用コンテナターミナルを新たに開設した。このコンテナターミナルに対しては上海最大のターミナル経営企業SPIG社が40%の株を所有している。マースクラインはこのターミナル利用をはじめているが、APMT社は他の海運会社との間でも利用に関して協議を進めている。Zeebrugge の力はアントワープやロッテルダムと同様、後背地への接続が優れており、かつアントワープよりアクセスが簡単であることにあるが、集配センターを作り上げてしまっている海運会社の意向で、多くの貨物が依然としてアントワープに集まってきている。

東地中海における競合
 東地中海のハブ港であるマルタのジオニア・タウロ,ピラエウス、Marsaxlokkは、APMT社が経営するスエズ運河コンテナ・ターミナル社(SCCT)による新たな競争の出現を受けて18ヶ月にわたり厳しい日々を過ごしてきた。サィード、ダミエッタなどの他のエジプトの港ではアジアからの貨物の積み換え業務が増加したが、一方アンバルリなどトルコの港では黒海の港に向けた貨物の積み換え業務が多くなり始めている。ジオニア・タウロはSCCT社の開設で最も多くビジネスを失ったといわれている。マースク社は東地中海や黒海に向けた積み換え貨物の大部分をSCCT社へ切り替えた。マースク社がP&Oネドロイドを合併したことが拍車をかけたといわれている。しかし、ジオニア・タウロでメドセンター・コンテナ・ターミナルを経営しているコントシップ・イタリアは事態は改善しつつあると楽観的で−2006年8月以降の月当たり貨物の量は、前年度比で増加しているとして−東地中海と黒海の60以上の港へ向ける貨物の集配のため積み換えサービスを集中的に利用するニーズは今後も続くとしている。一方ピラエウスの一部をギリシャの他の港のテサロニキとともに民営化する計画がでてきている。中国のCOSCOグループは公開入札があれば営業権獲得に自信があることを表明している。


民営化反対スト釜山港湾労働者『常用化』の一歩
希望退職者に『生計支援金』
15年勤続者に1億2,500万ウォン支給

 釜山港運労組の組合員の希望退職手続きが始まった。
 リストラによって埠頭の労働者の雇用形態を、釜山港開港の時から維持してきた日雇いから常用職に変える、第一歩を踏み出したのである。
 釜山海洋水産庁は29日、釜山港の労務供給体制改編によって退職を希望する港運労働組合組合員の、希望退職と生計安定支援金の申請を、来月11日まで、釜山港労務供給体制改編委員会で受け付けると明らかにした。申請対象は来年から埠頭労働者の雇用形態が常用化に転換される、釜山港北港中央埠頭、3埠頭、4埠頭、7−1埠頭など4埠頭の組合員1022人で、釜山港運労組の全組合員の12%に当たる。申請対象者が希望退職すれば、定年退職までの残った期間と勤続年数によって、生計安定支援金を受け取ることになる。申請者数に制限はない。
 釜山海洋水産庁は「勤務地とする仕事によってすべて違うが、平均40歳で10年勤続者は8700万ウォン、50歳で15年勤続者は、1億2500万ウォン程度の、生計安定支援金を受けるようになること」と話した。
 一方、希望退職を申請しない組合員は、新しく雇用契約を結んで各埠頭運営会社の正規職員に身分が転換される。
 4埠頭と一緒に釜山港労務供給体制改編の1次対象に含まれた釜山甘泉港中央埠頭は、来年上半期に、組合員の希望退職申請を受け付ける予定である。釜山海洋水産庁の関係者は 「労務供給体制改編の1次対象に含まれない釜山港の残りの埠頭の中で、一般埠頭は適当な雇用主体がなく、今すぐに常用化を進めるのは困難な状況」と話し、「これらの埠頭については、労・使・政が一緒に運営する機構を作って常用化を推進する方案を検討している」と話した。(ハンギョレ新聞 11月29日)


民営化反対スト釜山港運労組「労務供給独占」終わる
労使政が協約締結…埠頭運営会社に改編

 釜山港運労組の労務供給独占権が130年目で幕を閉じることになった。釜山港運労組に所属して働いていた埠頭労働者の身分は埠頭運営会社の職員に変わる。
 趙ヤンタク釜山港運労組委員長、金スヨン釜山港湾物流協会長、李インス釜山海洋水産庁長は9日『釜山港 港湾労働者供給体制改編の労・使・政細部協約書』を締結した。
 改編対象は釜山港の北港中央埠頭と3、4、7−1埠頭、甘泉港中央埠頭で働く釜山港運労組組合員である。これらの雇用主体が釜山港運労組から各埠頭運営会社に変わる。埠頭運営会社は希望退職者を除いた対象者全員を直接・常時雇用し、60歳定年を保障することにした。常用労働者の賃金は月給制にし、賃金など労働条件と福祉事項は改編以前の水準を保障する。締結当事者たちは『釜山港 労・使・政共同労働者管理機構』を設立して安定的な港湾運営、発展的な労使関係、效率的な労働力管理をはかるとした。
 協約案は17日の釜山港運労組組合員の賛否投票を通過すれば、来年から施行される。これによって1876年の釜山港開港の時から維持された釜山港運労組の労務供給独占権が崩れ、国内唯一のクローズドショップで運営された港湾運送労組の形態も変わることになった。釜山港運労組は港湾運送労組全組合員の3分の 1 にあたる9000人という規模のうえに中心勢力であるため、全国の港湾で労働者供給体制改編のドミノ現象が起きるものと予想される。
 しかし、改編対象が釜山港の中でも5つの埠頭に限定されたうえに、陸上労働者を除いた1260人に過ぎず、対象から外れた組合員に対する対策作りが後に続かなければならない。この間、釜山港運労組は労働者が組合に加入しなければ仕事に就けないクローズドショップ形態で、採用・人事権を含む労務供給権を独占し、労組幹部の『就職商売』など不正が絶えなかった。
 釜山海洋水産庁は「この日の協約書締結で、釜山港の港湾労働者供給100年史の大きな枠組を変える下図が完成された」と言い、「年末までに改編対象組合員の退職金の支給、希望退職者に対する生計安定支援金の支給、埠頭運営会社と組合員の雇用契約締結など、行政手続きを終わらせる」と話した。(ハンギョレ新聞 11月9日)

カラオ港(ペルー)民営化反対スト

 ITF加盟の全国国営港湾企業労連(Fentenapu)はカラオ港の民営化に反対するため、6月19日に同港で4時間ストを実施した。Fentenapuは6月7日にも24時間ストを実施している。
 民営化のための土地の売却は違法であり、国民の関心が選挙とその結果に集まっている間に、急遽実施されたものだとFentenapuは主張している。
 同港の民営化計画は、港湾当局が1億2千万ドル相当の社会資本を放棄するとともに、港湾利用料を引き下げることを提案している。これにより、同港の収入は1,550万ドル減り、既に約束されている、職員の年金やクレーンの購入、ターミナル近代化のための資金が不足することになる。その結果、港湾当局は準備金に頼るしかなくなり、破産に追い込まれる。
 「Fentenapuは交渉を継続させるために、作業停止を延期するなど、スト回避のためのあらゆる努力をしてきた。しかしついにスト決行の時が来た。これは全面ストだ。地方政府や世論などからも100%の支持を得ている。Fentenapuは何カ月も前からカラオ港の拡張と、第三者への違法な土地の売却に反対してきた。民営化はカラオ港を破産させる」とITFのアントニオ・フリッツ南北アメリカ部長は語った。(ITF news オンライン 2006年6月22日)

フルーダイヤモンド抗議行動日

 カナダ、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドのITF加盟組合は、世界最大手のアーモンド加工会社、フルーダイヤモンドの労働組合権侵害に抗議するため、5月16日の統一行動日に参加した。
 この統一行動日は国際港湾倉庫労働組合(ILWU)の第33回大会にあわせて設定された。ILWUは2004年以来ずっと、米国カリフォルニア州サクラメントにあるフルーダイヤモンド工場を組織しようとしている。同社の製品の7割が欧州10カ国、アジア、オーストラリアに輸出されている。フルーダイヤモンドは米国で28件の労働法違反で有罪判決を受けているが、組合賛同者の不当解雇などの激しい反労組活動を展開している。
 バンクーバー(カナダ)で開催された第33回大会の最中に、商店街でデモと集会が実施され、ILWUの組合員のほか、ブリティッシュコロンビア労連(BCFL)が加わった。
 この集会にはITFのデビッド・コックロフト書記長も参加し、ITFやフルーダイヤモンドの貨物を荷役するITF港湾労組、国際労働界全体のILWUとフルーダイヤモンド従業員に対する連帯を誓った。
 同じ日にオーストラリアのシドニーとメルボルンではオーストラリア海事組合(MUA)と鉄道路面電車バス労組(RTBU)が、フルーダイヤモンドのバイヤーの1つであるスカルゾ・インダストリーズの営業所前で抗議行動を実施した。シドニーの抗議行動の10分後には、スカルゾ・インダストリーズから支援を取り付けることができた。
 「経営陣がデモ隊の方にやって来て、スカルゾ・インダストリーズ社長からフルーダイヤモンドに宛てた抗議文を書いてくれた。フルーダイヤモンドの反労組活動を批判し、解雇された労働者の職場復帰と法の遵守を要請するものだった」とシドニー支部事業のワレン・スミスは説明する。
 この他にも、全日本海員組合や韓国民主労働総連盟(KCTU)がフルーダイヤモンドに抗議文を送付した。KCTUはフルーダイヤモンドの主要取引先とのミーティングも要請中だ。
 国際食品労連(IUF)もILWUのこの運動を支持している。(ITF news オンライン 2006年5月25日)
ITF、イラク政府による港湾労組抑圧に抗議

ITF、イラク政府による港湾労組抑圧に抗議

 ITFは、前独裁政権のサダム・フセインが導入した憲法の条項が、イラクの合法的港湾組合の活動を抑圧するために利用されていることに抗議した。
 イラク当局は、公務員の組合加入を禁じる憲法第150条(1987年制定、フセインが導入)のもと、ITFに加盟する港湾労組の役員に逮捕令状を発行した。クオール・アルズベイール港を拠点とした組合とイラク労働者総連合のメンバーもまた、運輸省管轄下の当局から事務所や委員会を閉鎖された。加えて、組合役員やその家族に対する脅迫や嫌がらせが深刻化しているとの報告もある。また、組合の執行委員の給料が未払いになっており、職場も通常の職場や自宅から約550キロも離れた場所へ移された。
 こうした反組合戦術は、組合が3月23日に労働者の要求書を運輸省顧問に送ってから始まった。組合の要求には、現行の劣悪な労働条件の改善も含まれていたが、運輸省はこれに応じていない。
 イラクのサラム・アルマルキィ運輸大臣に宛てた4月27日付の書簡の中で、ITFのデビット・コックロフト書記長は、「イラクが復興を目指し、再び国際社会の一員になろうとしている一方で、イラク政府が世界でも最も悪名高い独裁者が導入した基本的人権を侵害する不当な法律を維持する選択をしたことは非常に遺憾である。ITFは、この法律がITFに加盟するクオール・アルズベイール港の労働者の権利剥奪のために使用されたことに愕然としている。組合に対する不当行為が改善されない場合は、ITFはこの問題を直ちに国際労働機関(ILO)に提訴するつもりだ」と述べた。
 ITFは現在、在英のイラク外交関係機関との緊急会議の実施を模索しており、各国のイラク大使館に抗議文を送り、連帯を示すよう加盟組合に要請している。(ITF news オンライン 2006年5月11日)

ブラジルの港湾労組、二度目のスト実施

 ブラジルの港湾労働者(ITF加盟のCNTTAAとCONTTMAFを含む)は使用者側の協約違反に抗議し、3月8日にエスピリトサント州のポートセル港、3月14日にヴィラ・ヴェラ(Vila Velha)ターミナルで48時間ストを実施した。このストは2月24日に労使間で締結された労使協定を使用者側が反故にしたため組織された。この労使協約で使用者側は、違法に雇用された未登録の港湾労働者を解雇し、公式登録名簿に掲載されている港湾労働者だけを雇用することを約束していた。この協約は、未登録の違法港湾労働者98人が新たに雇用されたことを受けて2月21日と23日にヴィトリア港でストが実施された結果、締結されたもの。
 3月10日に組合代表、労働大臣、ナショナルセンター(CUT)のルイズ・マリンホ元委員長の間で話し合いがもたれ、労働省が争議解決に向けて対策をとることで合意された。
 「政府の労務管理機関(OGMO)を攻撃するために、関係法規やILO第137号条約を無視している企業がいる。大統領選挙の年に政府にマイナスな政治状況を作り出すために、このような違法行為に走る企業がいるとは驚きだ」とITFのアントニオ・フリッツ南北アメリカ地域部長は言う。
 3月23日には港湾労組の連盟組織と現地労組の代表者会議が予定されている。ここで次のステップが話し合われることになっている。
 一方、使用者側は態度を変えず、労使交渉は行き詰ったままだ。
 再度ストが実施される可能性は高い。

(ITF news オンライン 2006年3月23日)

ロッテルダムの港湾労働者、労働時間短縮を勝ち取る

 ロッテルダム港のAPMターミナルの労働者は先週、ストを行い、労働時間短縮を勝ち取った。
 ITFに加盟するFNVボンジェノテンは、オランダに本社を置く国際コンソーシアム、APモラー・マースク・グループが100%所有するAPMターミナルから週32.55時間労働を勝ち取った。また、契約社員90人が正社員になることも合意された。
 APMターミナルの港湾労連者は3月8日に8時間ストを実施した後、週末に予告なしのストに出た。これを受け、ITFは近隣のアントワープ港とハンブルグ港の労働者にロッテルダムから貨物が運ばれて来るかもしれないと警告を発していた。「国際連帯行動の可能性が交渉成功のカギとなった」とHNVボンジェノテンは言う。
 ITFのフランク・レイズ港湾部長は「ロッテルダムの仲間たちの成功を歓迎する。会社側は労働時間の問題は交渉の対象外だと主張していたので、彼らはストで闘うしかなかった。国際企業は港湾労働者の国際連帯は現実であることを肝に銘じておく必要がある」と語った。
(ITF news オンライン 2006年3月21日)

ヨーロッパ港湾労働者の統一ストで
EU港湾自由化指令案を否決

 欧州連合(EU)議会総会は、1月18日,港湾自由化指令案を圧倒的多数で否決した。投票総数677票、賛成120票、反対532票、棄権25票であった。
 EU港湾自由化指令案は、ヨーロッパ各港が少数企業の寡占状態になっているとの理由で港湾荷役事業に自由競争を導入しようとするもので、@港湾への参入を緩和してEU圏外からの参入を容易にする、A船員の港湾荷役作業を認める、B登録された港湾労働者以外の者が港湾荷役作業をおこなうことを認めることなどの問題を含むものであった。EU指令が可決されれば、加盟国は国内法との整合を図る義務を負う。このようなEU港湾自由化指令案は、EU各国の港湾労働協約を否定し、1973年にILOが採択した港湾労働条約(第137号)を否定し、既存の登録された港湾労働者を港から排除しようとするものであった。ILO港湾労働条約とは、港湾労働者を登録し、登録した港湾労働者は最低の雇用または収入が保障されるべきであるという内容である。港湾における新たな輸送手段や荷役方法の導入による利益を港湾労働者にも還元すべきだという考えにもとづくものである。

 EU港湾自由化指令案の議論は2003年のEU総会からおこなわれてきた。ITF(国際運輸労連)やETF(欧州運輸労連)、またIDC(国際港湾労働者協議会)に加盟するヨーロッパの港湾労働者は、このEU港湾自由化指令案に強く反対して、EU議会で議論される前から反対運動を組織してきた。IDCとは、ITFがリバプール港湾労働者の解雇撤回闘争を支援できなかったため、リバプール闘争を支援してきた港湾労組によって2000年6月に結成された組織で、10数カ国3万人を組織している。

 2003年のEU港湾自由化指令案反対闘争では、ITFとIDCの共闘が実現し、ドイツ、オランダ、ベルギー、フランス、スペインなどで荷役拒否がおこなわれ、各港で集会、デモがおこなわれた。このようなたたかいの結果、EU議会運輸委員会は指令案の採決をできないでいた。EU議会の指令案討議の山場となった2004年11月、には、連続した抗議行動が取り組まれ、港湾のストライキはヨーロッパ各港に拡大した。このようなたたかいによって、EU議会総会はEU港湾自由化指令案を否決した。
 にもかかわらず、2005年の冒頭から、EU港湾自由化指令第2次案(第1次案とほぼ同様)の討議が運輸委員会ではじまった。船会社はあくまでも指令案の成立をめざしたのである。オランダ政府は批准しているILO港湾労働条約の批准解除の方針を打ち出し、EU港湾自由化指令案にもとづく国内法の改正を目論んだ。しかし、オランダ港湾労働者の強い抗議にあって、棚上げ状態になっている。

 攻防の舞台は、再びEU議会に戻ってきた。2005年12月に開かれたEU議会運輸委員会はEU港湾自由化指令第2次案を23対24の僅差で否決した。にもかかわらず、2006年に入り、EU議会総会はEU港湾自由化指令第2次案を採決することにした。
ITFとETFは、年初から抗議行動を繰り返し、1月11日には12カ国4万人が参加する統一行動がおこなわれた。ハンブルグ港では4,500人の港湾労働者がストに参加し港湾はストップした。また1月16日の統一行動には、ドイツ、ベルギー、オランダで24時間スト、IDCもスペイン、ポルトガル、フランス、ギリシャ、デンマーク、スウェーデンなどで24時間から48時間のストを決行した。このように大規模港湾から中小港湾までヨーロッパ全域でストライキが実施されたのである。そして、1月16日、EU議会が開かれたフランスの東部にあるストラスブールには、アメリカやオーストラリアなどからの参加者を含め16カ国1万人が参加した抗議行動が展開された。13名が逮捕され、警察官も12名が負傷する激しい抗議行動であった。

 EU港湾自由化指令第2次案が大差で否決されたことは、ヨーロッパ港湾労働者のたたかいと港湾労働者の国際連帯の勝利である。規制緩和によって労働組合まで解体され、未組織労働者が働くようになってしまった国もある。このような事態に歯止めがかけるようにしなくてはならない。船会社は既存の港湾労働者を使わない「自己荷役」の願望を捨て去ってはいない。港湾の民営化、日雇労働者や契約労働者の使用は世界中で進行している。港湾労働者の国際連帯をさらに強化してたたかっていかなければならない。
(全日本港湾労働組合・伊藤彰信)

  追記=イギリスのレイバーネットにストラスブールの抗議行動の写真があります。
  http://www.labournet.net/docks2/0601/euport9e.htm

欧州のフェリー産業に
適正水準の賃金・労働条件を!


 欧州の多くのフェリーで見られる劣悪な労働条件と低賃金に抗議するキャンペーンに、欧州各地の労働組合が加わっている。
 今月初旬にウェールズ(英国)のスウォンジーで立ち上げられたこのキャンペーンで労働組合は、欧州のフェリー各社が少なくとも自国の最低賃金水準および国連人権条約を適用させるように訴えている。
 アイルランドのスワンシー・コーク・フェリー社が運航するスーパーフェリーに乗り組む東欧出身船員の労働条件が「適正水準をはるかに下回っている」との苦情がベルギーや、英国、オランダ、フランス、アイルランドの組合に寄せられていることを受け、組合の幹部は本年5月、コーク(アイルランド)にある同社の事務所に抗議を申し立てた。
 「外国から乗組員を採用し、驚くほどの低賃金で長時間働かせ、組合と連絡をとろうとすれば直ちに解雇するという方針は、正にソーシャル・ダンピングだ。企業がこのような形で弱い立場の労働者を利用するのは道義的に許されない。陸上労働者には適用されている最低賃金水準のフェリー乗組員への適用を求めるわれわれのキャンペーンにこれほど多くの国の労働組合が加わってくれたことを非常にうれしく思う」とITFに加盟する全英鉄道海運労組(NURMTW)のボブ・クロー書記長は語った。
 ITFに加盟する全英海事航空船舶職員組合(NUMAST)のマーク・ディキンソン書記次長は「組合員の雇用・労働条件を守るためには、フェリー業界の賃金ダンピングを止めさせなければならない。だからこそ、われわれはこのキャンペーンを支持しているのだ」と述べた。
(ITF news オンライン 2005年9月22日)

サントドミンゴ港の観光プロジェクト
港湾労働者の雇用が危機


 ドミニカ共和国のサントドミンゴ港で巨大観光プロジェクトが打ち上げられたために、同港の港湾労働者2500人が失職の危機に直面している。
 このプロジェクトは周辺地域の再開発を目指すものだ。既に商船用荷役スペースが撤去され、港湾労働者に深刻な影響を及ぼしている。港湾業務の消滅は、サントドミンゴ港で活動する4つの組合の消滅をも意味する。
 ITFに加盟するドミニカ港湾労連(FDTP)のシルビオ・ウレーナ・メンドーサ書記長はこのプロジェクトに対する重大な懸念を表明するとともに、労働者に及ぶ壊滅的な影響が全く考慮されておらず、彼らの労働者の生活が危機にさらされていると述べた。
 ITFのデビッド・コックロフト書記長は8月末にラファエル・アルブルケルケ副大統領に書簡を送り、プロジェクトの再考を促すとともに、「職を失う労働者、特に、高齢や健康上の理由で引退することになる労働者に適切な補償措置を講じる」ように訴えた。また、仕事を続けられる者に対しては、訓練や配置転換の機会を提供するとともに、結社の自由や団体交渉権を確保するように要請した。
(ITF news オンライン 2005年9月22日)

オランダのILO137号条約の批准取り消しに港湾労働者が「ノー」

 オランダのITF加盟組合、FNV労組は、オランダの国会がILO137号条約の批准取り消しについての審議日に合わせ、ハーグで抗議集会を行った。ILO137号条約は、港湾労働者の登録制度の確立とともに、技術革新を実施する際の労使協議を保障している。
 昨年初め、アールト・ヤン・デ・フース社会労働大臣はILO137条約の批准取り消し計画を発表した。これを受け、FNVは政府を相手取った訴訟を起こし、2004年10月、裁判所は、政府には同ILO条約を実施する責任があるという判決を下した。それにも関わらず、政府は態度を変えず、引き続き同ILO条約の批准取り消しを進める構えでいる。
 ITF港湾労働者部会のフランク・レイ部長は、「ILO137号条約は、新技術導入の際の労使協議を保障しており、港湾労働者登録制度は、荷役作業の安全性と社会的水準維持のために必要不可欠だ。このような後ろ向きのステップが、有資格労働者を未経験の安価な労働力で置き換えていく動きにつながることを懸念している」と述べた。
(ITF news オンライン 2005年9月1日)

アフリカのPOCキャンペーン・スキルセミナーが大成功

 8月15−19日にナイロビ(ケニア)で開催されたITF便宜港湾(POC)キャンペーン・スキルセミナーには、カメルーン、コンゴ共和国、ガンビア、ガーナ、ケニア、ナミビア、ナイジェリア、南アフリカ、タンザニアなど、サハラ以南のアフリカ12カ国から代表が集まった。セミナーでは、民営化、日雇い化、アフリカ港湾で日増しに強くなるグローバル・ターミナル・オペレーターの影響などの共通の問題が話し合われた。
 南アフリカとナミビアは、組合のキャンペーンにより、港湾の民営化をかろうじて食い止めた例を紹介した。ガーナでは、新たに営業契約を獲得したステベドア会社の組織化運動を展開している。ガーナの組合はまた、シエラレオネから港湾労働者を招き、組合の取り組みに関する研修会を実施した経験を紹介した。
 セミナーではまた、アフリカ地域の港湾労組ネットワークが立ち上げられた。このネットワークを通じて収集された意見は、今後POCキャンペーンを計画していく上で生かされていく。
 ベン・ウドクITFアフリカ地域事務所長は、「今週、アフリカ地域の港湾労組は、結束、リーダーシップ、良好な労使関係構築の必要性など、アフリカ地域の港湾にとって基本的な問題を議論した。港湾労組は港湾産業とアフリカ地域の発展に中心的な役割を担っている」と述べた。
(ITF news オンライン 2005年9月1日

アイルランドのフェリー会社
劣悪な労働条件を訴えた乗組員を解雇


 先週、アイルランドのフェリー会社「アイリッシュフェリー」とそのマニング会社「ドブソンズ・シップ・マネージメント」は、バハマ船籍のノルマンディー号の乗組員、オクサナ・カラマジャナをシェルブール港(フランス)で解雇した。カラマジャナが職業技術サービス産別労組(Siptu)とITFに船内の劣悪な労働条件を訴えた後のことだった。彼女によると、ノルマンディー号の乗組員は1日12〜13時間、週7日間労働を強いられ、組合に連絡すれば解雇すると脅されているという。
 カラマジャナは7月10日にその日最初のフライトで出身国ラトビアに送還されたが、その2日後の12日にSiptuの経費でアイルランドに戻り、アイリッシュ・フェリーの賃金・労働条件に関する勧告を準備中の独立査定官と面会した。
 「アイリッシュ・フェリーの従業員に対する扱いはひどい。英語を話せない者も多く、母国に家族を残して来ているため、ほとんど抵抗できない。会社は従業員を脅したり、いじめたりしている。本当にひどい状況で、不平を訴えることすらできない。いつかアイリッシュ・フェリーに通達が出ればいいと思う」とカラマジャナは語った。
 Siptuはアイリッシュ・フェリーとドブソンズ・シップ・マネージメントの人権および労働組合権の深刻な侵害について、船籍国のバハマと
アイルランド政府に正式に苦情を申し立てることにしている。
(ITF news オンライン 2005年7月21日)

港湾運送業務の入札停止で
ムンバイ港のスト終結


ムンバイ港湾当局が港湾運送業務を入札にかけようとしたことを受け、ムンバイ港の港湾労働者1,500人は、ITFに加盟する全インド港湾労連(AIPDWF)の主導の下に6月23日からストに出ていた。海運・道路輸送・高速道路省の管轄下にあるムンバイ港湾当局は、最も安い価格で落札した業者が労働力を自由に調達できるものとしていた。
ITFのデビッド・コックロフト書記長は海運・道路輸送・高速道路大臣に宛てた書簡の中で、「常用雇用を契約べースの雇用に置き換えるべきではない。港湾当局は影響を受ける既存の労働者に少なくとも同様の仕事を与えるべきである」と述べ、既存の労働者が職を奪われるかもしれないことに深い懸念を表明した。
その後、港湾当局が入札を停止し、AIPDWFと交渉につくことで合意がなされたため、ストは7月1日に終結した。
ジュネーブのILOで港湾改革実施の際の社会対話の必要性について議論されている時に、地球の反対側では1,500人の港湾労働者が解雇の危機に直面し、港湾当局の頑固な姿勢により、組合との建設的な対話がほとんど不可能に見えたことは皮肉なものだ」とITFのフランク・レイ港湾部長は語った。
(ITF news オンライン 2005年7月21日)

ペルーの港湾労働者、民営化に抗議

 国営港湾管理会社(ENAPU)の労働者を組織するITF加盟組合、港湾労働者連合(Fentenapu)は、3月10に発表された港湾近代化のための民間投資促進プログラムに抗議するため、3月15日と21日にカヤオ港でデモを行った。近代化の課程では総額10億米ドルの民間投資が予定されている。
 Fentenapuの広報・教育担当役員でペルーのITFコーディネーター、アドルフォ・グラダディオは、港湾近代化プログラムは官民の競争を妨害すると指摘し、次のように語った。「ENAPUへの民間投資が実現する可能性は低い。この15年間、民間投資は実現しなかった。そのため、これまでペルーでは民営化が即、失業、貧困、国の外資依存度の上昇につながってしまった。投資はきちんと実現させるべきであり、港湾開発計画にENAPUが積極的に関わり、官民の協力があってこそ投資も実現する。港湾開発計画にはENAPUの解散は記されていないが、一部の政府高官がENAPUの清算をすでに検討していることが懸念される」
(ITF news オンライン 2005年4月7日)

イスラエル港湾民営化闘争満足いく協約が締結される

 2月17日に港湾民営化が実施されたイスラエルで、政府の港湾自由化計画に労働者の声を反映させようとするITF加盟組織Histradutの闘争が報われた。政府との2週間におよぶ交渉の末、港湾労働者2,200人を対象とする現在の団体協約を7年間継続する権利を勝ち取ったのだ。この協約は新規従業員にも適用される。
 さらに、18%の賃上げの2段階実施、ボーナス2万ドルの支給、400人に対する寛大な退職金の支給も決まった。
 協約によると、現在雇用されている従業員は今後20年間解雇されない。また、ハイファ港、アシュドッド港、エイラト港の運営のために設立された各国営港湾会社理事会の理事12名のうち2人は労働者代表となる。
 Histradut は協約が締結されなければストに出ると通告していた。
 「このすばらしい成果を考えれば、ストの可能性はなくなったと言えるだろう。Histradutの交渉担当者の力量は過小評価できない」とITFインスペクターのデビッド・クリッツはコメントした。
(ITF news オンライン 2005年2月25日)

ドイツ港湾労組の連帯行動で船員の団体協約が締結される

 ロストク港(ドイツ)の港湾労働者がFOC船乗組員のITF協約締結とそれに伴う大幅賃上げに一躍買った。
ベリーズ籍のPOLユーロ1号が1月末にロストク港に入港した時、ITFインスペクターのハルムト・クルーズがいつものように査察を行うと、ポーランド人船員7人、インド人船員14人の賃金が国際基準を遥かに下回っていることが判明した。
 ITFが賃上げ交渉を再三呼びかけたにもかかわらず、本船の船長と船主はこれに応じなかったため、現地の港湾労働者(ITFに加盟するVerdiのメンバー)が連帯行動を開始した。港湾労働者の仕事を賃金の安い船舶乗組員にやらせることを可能とする欧州港湾自由化指令第二弾を背景に、ロストク港の港湾労働者は船員の仲間たちの支援に熱心だった。
 5日後、船主はITF協約の締結に応じ、乗組員は月額1,075ドル(700ドルアップ)の賃金を受け取ることとなった。
(ITF news オンライン 2005年2月25日)

EU港湾自由化指令反対キャンペーン

英T&Gが支持表明
組織人員数90万人を誇る、英国最大の一般労組、運輸一般労組(T&G)のトニー・ウッドレー書記長はITF・ETFの「ストップ・ポートパッケージ2(EU港湾自由化指令第二弾反対)」キャンペーンへの支持を表明した。このキャンペーンは欧州港湾サービスの自由化を目指す欧州委員会(EC)の二度目の試みを阻止するためのもので、ITFとETF(ITFの欧州地域組織)が合同で1月中旬にハガキ送付作戦で開始したものだ。
 T&Gは現在、英国の2つの組合、AmicusとGMBと非公式に合併を協議している。この合併が実現すれば、240万人の"スーパー・ユニオン"が誕生する。新組織は多数の主要産業で圧倒的な存在力を発揮し、年間の加盟費収入の約10%に相当する2千万ポンドをオルグに費やすものと期待されている。これだけの規模は英国およびアイルランドの労働組合史上、他に例を見ない。
 ITF・ETFの「ストップ・ポートパッケージ2」キャンペーンには欧州の港湾労組だけでなく、欧州以外の多くのITF加盟組織からも連帯が表明されている。
 1月31日に立ち上げられたインターネット上の専用サイト(www.pp2stop.org)には既に8千人以上の署名が寄せられている。ITFは加盟組織にさらに署名を呼びかけている。
(ITF news オンライン 2005年2月25日)

国際運輸労連(ITF)
2004年10月11−12日、国際路面運輸行動日の報告

日本
10月12日の朝の通勤ラッシュ時に、JR総連と交運労協・国際局職員が東京駅に集合し、市民や乗客に1,000枚以上のビラを配布した。JR総連は、規制緩和、コスト削減のための競争といった悪循環をストップすべきだと訴えた。「規制緩和によるバス会社の新規参入が相次ぎ、労働条件の悪化を招いている」とあるバス労働者はコメントした。東京の他、北海道や東北地方でも地元の他の交通運輸労組の協力を得てビラ配りを行った。

私鉄総連に加盟する神奈川の単組の組合員が、横浜駅などの主要な鉄道駅で夕方の帰宅ラッシュ時に約4,000枚のビラを配布した。同組合にとっては初めてのITF行動日参加となった。同組合役員の青木は「初めての試みだ。来年はより良い行動日にできると思う」と述べた。

日本の全国港湾率いる港湾労組と全日本海員組合は、10月12日から行っていたITF東アジアFOCキャンペーンの一環として、14日、国際路面運輸行動日に取り組んだ。港湾労組と海員組合は、拡大する国際複合一貫輸送産業に対応するためには、トラック運転手、港湾労働者、船員の連帯が必要であると主張した。一般組合員が全国31港で、「疲労は命取り!職場の安全・安心、組合の行動を!」「港湾運送料金の不当ダンピングの強要反対!」「港湾作業は港湾労働者にまかせよう!」「基準以下船の排除!すべてのFOC船にITF協約を適用しよう!」などのスローガンを掲げたビラ約4,000枚を配布した。

ITFに加盟する日本の全国港湾の加盟労組、全港湾は、10月12日、全国62のコンテナターミナルで5万枚のビラを配布した。全港湾は、海上コンテナの陸上輸送における安全確保の問題を取り上げ、コンテナ陸上輸送の安全確保に関する荷主の責任を明確化する法律の整備を日本政府に要求した。
(2月7日付け回状No.22/Rt.3/2005)


ITFアクションアラート(ITFからの抗議行動要請文)
 

2005年2月8日

 ご存知の通り、2005年2月1日にギャネンドラ国王が全閣僚を解任して以来、ネパールではあらゆる民主主義的自由が停止され、現在、絶対君主制のもとに置かれています。また、政治指導者や組合役員が逮捕され、労働組合権は全面的に停止され、3人以上のいかなる集会も禁止されています。プスカール・アチャリャ副会長を含む、ネパール労働組合会議(NTUC)の指導者3名も拘留されており、その他の労働組合の指導者は身を隠しています。国際電話も遮断され、外界との連絡が極端に困難になっています。数日間停止していたEメールによる通信は再開しましたが、今後どうなるかは分かりません。
 ICFTU(国際自由労連)のガイ・ライダー書記長は、この事件が発生した際、ICFTU-APRO(ICFTUアジア・太平洋地域組織)大会に出席するためにカトマンズを訪れていました。ICFTUは、労働組合の自由の停止に直ちに抗議し、マオイスト(ネパール共産党毛沢東主義派)の武装蜂起を含むネパールの諸問題は、民主主義的な政府の停止や、基本的人権の侵害によっては解決し得ないと指摘しました。
 国際運輸労連(ITF)は全加盟組織に対して、次の行動を早急に行うよう要請します。
 ネパールの労働組合権停止に抗議する国際統一行動日の取り組みとして、2005年2月10日(木)に貴国のネパール大使館前で抗議デモを実施する。在日ネパール大使館の住所・連絡先は次のとおり。小規模な抗議行動でも実施することに意義がある。
     ネパール王国大使館
    〒158-0082 東京都世田谷区等々力7-14-9
    TEL:03-3705-5558, 5559
    FAX:03-3705-8264
    E-Mail:embassy@nepal.co.jp
  貴国のネパール大使館に抗議文を送付する。英文のモデルレターは添付のとおり。(労働組合権と民主的権利の停止に抗議し、それらの即時回復を要請する内容です。貴組織代表者氏名および役職を指定の箇所に英語でタイプし、レターヘッドのある用紙に印刷してから、代表者のサインを入れて、駐日ネパール大使館に送付してください)
  貴国政府に書簡を送り、ネパールの民主的権利および自由を完全に回復させるようネパール王国に最大限の圧力をかけるように要請する。
  ネパールの労働組合権および民主的権利に対する貴組織の支援行動をぜひともよろしくお願い申し上げます。

EU港湾自由化指令第二段反対 

 ITFとその欧州地域組織、欧州運輸労連(ETF)はEU港湾自由化指令第二弾を阻止するための反対運動を開始した。
 欧州委員会(EC)が昨年秋に推進していた港湾市場自由化指令がこのたび、退陣が決まっている運輸担当委員によって欧州議会に提出された。労働組合等の関係者との協議はいっさい行われないままの提出となった。同様のEU指令が港湾労組の反対によって欧州議会で否決されから1年も経たないうちの出来事である。
 「趣旨や一般原則は1年前に否決された第一弾と変わっていないが、第二弾の内容はさらにひどい。セルフ・ハンドリング(自家荷役)が原則とされているだけでなく、船員のみならず、訓練を受けていない、未登録の陸上労働者が荷役を行えるようになっている。さらに、水先案内を商業サービスとして扱い、水先案内人(パイロット)が海の安全を守る上で果たす役割を考慮していない」とITFのフランク・レイズ港湾部長は語った。
 ITFとETFは1月中旬にポストカードによる陳情活動をスタート。欧州の労働組合に反対運動に加わるように呼びかけている。「抗議のポストカードを自国選出の欧州議員と運輸担当委員のジャック・バロに送るよう、欧州の加盟組織に要請している。同時に、国際労働界全体がEUの動きを監視していることを、世界各地の港湾・船員労組がジャック・バロに知らせることも重要だ」とETFのエドアルド・チャガス港湾部長は述べた。
 現在、ネット上の陳情活動も行われている。www.pp2stop.orgにアクセスし、陳情書に署名を!
(ITF news オンライン 2005年2月8日)

スマトラ沖大地震に関するITFオンライン 
(2005年1月6日現在)

 12月26日に発生したスマトラ沖大地震に関して、スリランカやインドの組合から組合員の死傷者数や組合事務所の被害状況についてITFに報告が寄せられている。ITFは各国のナショナルセンターの援助要請に応じるように呼びかけているが、既に多くの組合がこの要請に応えている。
 グローバル・ユニオンとしても、被害を受けた組合の再建のための長期支援計画を来週の機関会議で議論することになっているとコックロフトITF書記長は述べた。
 スリランカでは、トリンコマリー港とガル港が深刻な被害を受けている。両港の組合事務所が水に流されたほか、ITF加盟の交通運輸労組、Jathika Sevaka Sangamaya(JSS)によると、沿岸部のバス車庫は全壊した。
 インドでは、南部の主要三港、チェンナイ、Ennore(エノール)、ツチコリンは大規模な被害は免れ、埠頭、施設、クレーンに被害がでただけだった。ITF加盟の南部鉄道労組(SRMU)は救援活動のとりまとめを先頭に立って行った。インド全国の鉄道労働者は給料一日分を義援金として寄付した。ITF加盟のタミル・ナドゥ路面労連(TNRTWF)もこれに加わった。
 インドネシアなど、他国のITF加盟組織の被害状況については、現在、情報を収集中。
 支援金の送り方は各国のナショナルセンターに問い合わせを。労働組合がこれまで行った支援活動についての情報はLabourstartのホームページ(www.labourstart.org/tsunami)へ。

被災地各国の状況

インド
 チェンナイ(民営のチェンナイコンテナターミナルを含む)、エノール、ツチコリンなどのインド南部の三港は、決定的な被害を免れ、波止場、港湾施設、クレーンなどのインフラが破損するに止まった。同三港では死亡者の報告はない。夫とともにマリーナビーチを訪れていたマドラス港従業員労組の女性活動家一名が死亡したとの報告がある。ナガパティナム、クダロールなどの小さな港でもインフラが破壊され、特に津波により多くの漁船員が死亡した。
 鉄道に関しては、津波の被害により、インド南部で計8キロの路線が破壊された。しかし、作業中の従業員が死亡したとの報告はない。クダロール、ポンディチェリ、ナガパティナム、カナヤクマリなどで南部鉄道労組が先頭に立ち、救援活動を行っている。一方、全インド鉄道員連盟(AIRF)や他組織の鉄道員が一日分の給与(総額1億5千万ルピー)を首相が設立した救済基金へ寄付することにした。また、タミールヌディ地方の労働者12万員を代表するタミールヌディ運輸労連の労働者も、一日分の給与を閣僚による救援基金に寄付した。全世界から救援物資が寄せられているが、古着や穀類などはむしろ余っている。一方、台所用品、バケツ、鍋などが不足している。中でも最大の被害を受けたのが漁船員で、全被害者の約9割が漁業関係者だった。

スリランカ
 スリランカの西南海岸のテルワッット近くで乗客1000人を乗せた列車が波にさらわれ、運転手2名と車掌2名が死亡した。アムパラ、バティカロア、ガル、トリンコマリー、ムラティブなどの南東海岸沿いの地域では、特に鉄道施設の破損が著しい。これら地域の鉄道駅やその周辺にある鉄道員の住居の多くが津波により倒壊したが、現在でも死亡した、あるいは行方不明の従業員の正確な人数は分かっていない。
 港湾では、ガル港が最も大きな被害を受けたが、やはり死亡者・行方不明者の人数は判明していない。ITF加盟組合のJSS労組によると、津波が押し寄せた際、ガルやマタラなどの沿岸地域では、運転手や車掌など、多数のセイロン運輸局(CTB)従業員が陸上輸送に従事していた。依然としてその多くの行方が分かっていない。おそらく死亡しているものと思われる。正確な死亡者・行方不明者の数は分かっていない。

インドネシア
 被害地域には近代港湾は少なかったが、アチェなどの沿岸地域が大きな被害を受けた。中でも漁船員への被害が甚大だ。インドネシア船員組合(KPI)が船員やその他の交通運輸労働者の情報を収集しようと努力しているが、通信手段が破壊されたため、正確な情報を入手できずにいる。

タイ −FES財団バンコク事務所の情報(2004年12月30日現在)より
 近年、観光地として開発されたカオ・ラク地域での被害が大きい。カオ・ラク地域には約1万5千人のホテル従業員がおり、その多くが死傷したと思われる。タイ政府によると、タイ南部の観光産業全体で約20万人が経済的な打撃を受け、1万人が失業すると公式に見込まれている。しかし、タイのホテル労組活動家のビジットによると、ほとんどのホテルが崩壊したカオ・ラク地域だけでも15,000人のホテル従業員がおり、実際の数字はもっと大きなものになるという。また、5万人のホテル従業員がいるプーケットでも被害が大きく、全ホテルの半数が立て直す必要があるという。
 ホテル業界以外に関しては、タイ南部には移民労働者が多く(その多くがビルマ人で約5万人の違法・合法ビルマ人労働者がいる)、彼らの死傷者数は数えられることすらないだろう。
 国営企業労組の連合体である国営企業労働者関係連合(SERC。ソムサック・コサイソック委員長)は、タイ南部の被害者への支援運動を展開しており、既に100,000バーツ(約2.500ドル)を寄付した。タイのその他の労働組合や民間のネットワーク組織が同様の連帯運動を開始し、義援金を集めている。これらの組織の代表者が近々現地を訪問し、義捐金を手渡す予定。

各国労組の対応

アイスランド運輸労連は200アイスランドクローナ(約24,100ユーロ)を国際赤十字に寄付した。

カナダ自動車労組(CAW)は15万ドルをカナダの赤十字に寄付した。また、ウィンザー、オンタリオ地域のCAW第444支部は、さらに2万5千ドルを赤十字に寄付した。

インドでは、ナショナルセンターが共同会議を開き、津波の被害を受けた地域のための救援活動について話し合い、首相の救援基金に寄付を行うよう、労働者に訴えた。その結果、一部の組合組織が一日分の給与を同基金に寄付した。

フィンランドのナショナルセンター、フィンランド労働組合中央組織(SAK)、金属労組、自治労、建設労組などがそれぞれ5,000ユーロ、5,000ユーロ、2,000ユーロ、2,000ユーロを緊急救済事業に寄付した。企業従業員組合は、5,000ユーロを赤十字に、さらに5,000ユーロをユニセフに寄付した。

スウェーデンでは金属労組が総額100万クローネ(約10万ユーロ)を赤十字と医療関係団体のRadiohjlpenに寄付した。

インド港湾労組の臨時手当争議 組合が勝利  


 全インド港湾労連(AIPDWF)を含む5つの港湾労働者連合組織は、11月初旬に政府の臨時手当未払いに抗議し、大規模デモを展開していたが、このたび、12月10日に政府との和解文書に署名した。これにより、インドの全港湾労働者は15.5%の、生産性と連動した臨時手当を受け取ることとなった。11月のストで組合側は、港湾ごとではなく、全国一律の臨時手当の支払いを要求、要求が受け入れられない場合は、さらにストを行うと警告していた。
 両者が合意に達したことにより、労働者側は2002〜2003年、2003〜2004年の未払い分も含む臨時手当を12月24日までに受け取ることになり、ストも回避された。
 AIPDWFのクルカルニ委員長は労働大臣と運輸大臣に感謝の意を表明し、「友好的な解決策を見出し、労働者に正義をもたらそうとする両大臣の努力のおかげで、全国規模の港湾ストが回避できた」と語った。
(ITF news オンライン 2004年12月22日)

欧州港湾自由化指令第二段をつぶそう!  


 12月2〜3日に開かれた欧州運輸労連(ETF)港湾部会に出席した18カ国22人の加盟組織代表者は、欧州委員会(EC)が10月13日に欧州議会に提出した港湾サービスに関する新指令案に抗議し、直接行動も辞さないことを確認した。ETF(ITFの欧州組織)はEU加盟国および欧州議員にこの指令案を廃止するよう、呼びかけている。
 この指令案は船舶乗組員や未登録の陸上労働者による港湾荷役を認めるもので、登録された港湾労働者が港湾作業を行うことを規定したILO第137号条約に違反する。欧州の港湾労働者は昨年、EUの似たような指令に対する反対闘争を展開し、同指令を廃止に追い込んだ。
 「港湾荷役の自由化を再び導入しようとするEUの試みに対してわれわれは断固闘う。欧州の港湾は世界で最も安く効率的なレベルにある。欧州理事会、欧州議会に対しては、この指令案を廃止するとともに、業界、特に労組代表と共に港湾産業促進のための効果的な方法を話し合い、不必要な社会不安を避けるよう、要請する」とエドアルド・チャガスETF港湾部長は語った。
(ITF news オンライン 2004年12月22日)

チリ港湾労働者のスト妥結 

 賃上げを要求していたチリのイキケ港湾労連(EFTRAPI)の労働者は、チリ当局が軍隊を導入し、この要求を退けたため、2004年10月5日、ストに突入した。ストは3週間にわたり継続され、その間14名の負傷者を出したが、11月16日、賃上げを約束する2年間有効の協約締結の末、妥結した。
 14名の負傷者には、頭に重症を負い、3日間入院したFETRAPIのベロン書記長も含まれる。
 ラゴス大統領に宛てた抗議文の中で、ITFのコックロフト書記長は、労働者に対する攻撃を正式に調査するよう訴えた。
 新たな協約のもと、労働者は13パーセントの賃上げを約束されている。
(ITF news オンライン 2004年12月16日)

インドの港湾労組、ボーナス無支給に抗議 


 11月8日、政府のボーナス無支給の決定に対し、ITF加盟組合の全インド港湾労組連盟をはじめ、インドの港湾労働者が全国12港湾で抗議を行った。労働者は、海事局が過去2年間見送ってきた20パーセントの生産性ボーナスの支給を要求している。
1996年に締結された団体協約では、全ての港湾労働者に対し、全国一律のボーナス支給を定めているが、この1年間、海事局はこれを各港湾ごとの支給に変更しようとしてきた。
ムンバイ港湾トラストの数千人の労働者を前に、全インド港湾労組連盟のクルカルニ委員長は、「労働者は、協約で約束されたボーナスが2年間支給されていない事実に憤激している。インドの全港湾を対象に生産性を分析し、それをもとにボーナスを支給する慣行は過去20年間行われてきた。政府は96年の協約を遵守すべきだ」と述べた。
8万人の港湾労働者を代表する5つの港湾労組連盟は、問題が解決されない限り、12月8日から無期限のストに突入すると宣言している。
(ITF news オンライン 2004年11
月18日)

東アジアFOC/PSC(安全)キャンペーン成功裏に終わる 

 日本、韓国、台湾の船員および港湾労組は7月27〜29日に合同でFOC(便宜置籍船)・POC(安全)キャンペーンを実施し、150隻以上の船舶を査察した。日本の組合は、通常の査察に加え、リベラ・グループなどが所有する香港籍のFOC船をターゲットに活動を展開し、ITF協約の締結を目指した。キャンペーン中、韓国のインスペクターは、ロシア人船員が乗り組むキプロス籍のFOC船が、ロシア水産労組(RFU)とマンニング会社の偽造協約書を所有しているのを発見した。本件は、現在、ロシアの加盟組合が捜査中。
  一方、台湾のインスペクターおよびコーディネーターは、記者会見を実施したり、全国各地で船舶査察を行ったり、政府当局や船社と会合を持ったりと忙しい日々を過ごした。今回のFOCキャンペーンは「船舶と港湾施設の国際保安コード(ISPSコード)」が実施されて以来、初めてのキャンペーンとなったが、キャンペーンがISPSコードによって大幅に妨げられることはなく、円滑に終了した。

インド港湾労組の民営化闘争
 
 ビシャカパトナム港の港湾労働者のストライキが7日目に入り、同港の荷役に深刻な影響が出ている。労働者側はBOT方式で建設される新バースに組織労働者を使うよう、オペレーター(M/s Mersey Docks &
Harbour Company Ltd.の子会社、リバプール港、インドの土木会社の合弁企業)に要求している。同港の労働組合は民間企業の参入に反対しているわけではないが、民間労働力の導入が労働者の搾取につながることを恐れている。
 

  一方、P&Oが所有するチェンナイコンテナターミナル(CCTL)の労働組合は7月20日の賃金改定を前に賃上げ運動や怠業で対抗した結果(ITFニュースオンライン日本語版第45号に関連記事)、24~50%の賃上げを勝ち取り、多国籍企業が所有する民間ターミナルオペレーターの労働組合が強力であることを証明した。これまで、インドの港湾労組は公有港湾の労働者のみを組織してきたが、民営化が依然として進行中のインド港湾産業において、CCTL労組の今回の勝利は画期的な意味を持つ。

コンテナ陸上輸送の安全確保を!
 ITF、小泉首相に要請ITFのデビッド・コックロフト書記長は7月27日付で小泉首相に書簡を送り、コンテナ陸上輸送の安全性を確保するために法的措置等をとるように要請した。現在、荷主はコンテナの中身や積み付け方法を陸上輸送業者に知らせる義務はなく、その結果、危険・有害貨物に起因する事故が発生し、運転手が責任を負わされている。(アジア太平洋地域ITFオンライン2004年8月5日)

POCキャンペーン承認される 

 7月にシンガポールで開催されたITF港湾部会総会でPOC(便宜港湾)キャンペーンの立ち上げが承認された。このキャンペーンは、ILO条約の批准・適用していない国の港湾や、労働組合を認知しない、あるいは労働組合と協議しない港湾をPOCに指定し、抗議運動を展開しようとするものだ。船員や未組織労働者に荷役をやらせる港湾もPOCに指定し得る。このキャンペーンを通じて、ITFは港湾産業における最低基準を設定し、この基準を遵守しない港湾にはPOCのレッテルを貼る。「港湾労働者の雇用に関する国際基準設定はもはや政治家たちにはまかせておけない。われわれが設定する国際基準については、ITF加盟組合と相談しながら、各港湾に実施を呼びかけていく」とITFのケース・マーギス港湾部長は語った。(ITF news オンライン 2004年8月3日)

新EU港湾指令 ETFとの協議を!

 ITFの欧州組織、欧州運輸労連(ETF)は新たなEU港湾法案に労働者の声を反映させようと闘っている。
 欧州委員会(EB)運輸担当委員、ロヨラ・ド・パラシオは先週、ロッテルダム(オランダ)で開催された欧州海港組織(ESPO)総会で港湾指令の再導入計画を発表した。昨年、労組の圧力で否決された欧州港湾自由化指令と同様の指令を再び導入しようという試みだ。
 ETFは昨年から主張してきた立場を再確認し、「船員の貨物荷役を認める条項を法案に盛り込ませることには反対だ。港湾労働者の登録制度を謳っているILO第137号条約の一般適用を求める。また、新指令がECで採択される前に、ETFの意見を聴くよう、要請する」とETFのエドゥアルド・チャガス港湾部長は述べた。
 ロヨラ・ド・パラシオはESPO総会で挨拶をする前に、ITF加盟のFNV Bondgenotenの代表と会談し、ECが指令起草にあたりILO第137号条約を考慮することもできると発言した。これに対して、ETFのチャガス部長は「ECがEU加盟国に批准を推奨する海事条約のリストの中に137号条約を入れることを言っているにすぎない。これだけでは十分でないことは明らかだ」と述べた。(ITF news オンライン 2004年7月8日)

ISPSコード発効

船舶および港湾施設の保安措置を当局に義務付ける国際規約、「船舶および港湾施設の国際保安(ISPS)コード」が7月1日に発効した。
 これにより、許可されていない船舶や港湾施設へのアクセスの禁止や、船舶保安計画の策定、船舶保安職員の配置などが当局に義務付けられる。
 ISPSコードがIMOで議論されたとき、ITFは船員の人権および労働組合権の保護条項を提案した。その結果、海事労働者の基本的権利・自由(港湾労働者の労働組合権を含む)は保護されなければならないとする、明確な規定が盛り込まれた。港湾保安計画にも、船員福利団体や労働組合の訪船の確保が求められている。港湾労組やITFインスペクターが港湾ターミナルへアクセスする際もこの規定が適用される。
 「海事保安強化の必要性は理解しているが、バランスのとれた措置が必要だ。また、海賊などの長年の懸案事項にも対処していく必要がある。新たな措置によって、既に超過ぎみの船員の業務量がさらに増えるようなことがあってはならない。船員の基本的権利・自由・尊厳を保護することも不可欠だ」とITFのジョン・ウィットロー船員部長は言う。
 ITFのケース・マーギス港湾部長は「労働者や市民をテロから守る法律は歓迎する。しかし、新しい法律が"組合つぶし"の道具に使われることがないよう、警戒していく」と述べた。
 ISPSコードの範囲外の港湾問題をカバーする「ILO・IMO港湾保安コード」も発効した。(ITF news オンライン 2004年7月8日)

港湾保安を優先せよ

 ITF加盟の港湾労組は、今日、港湾の保安を確実に実現するという目標を再確認し、ISPSコード(船舶・港湾国際保安コード)には厳格に従うべきであり、ISPSコードを日雇い労働者と自家荷役(セルフハンドリング)を導入するための口実にすべきではないと警告を発した。シンガポールで開催されたITF港湾労働者総会は、ISPCコードを支持することを決議したが、一方で、コードの一部に関して懸念も表明した。
  港湾労働者の代表者は、添付の決議で、ISPSコードの中で、現行の協約を脅かすための手段として濫用されかねない、またそれゆえに保安体制を弱体化しかねない部分に留意した。これには、例えば、保安基準を満たさない日雇い労働者の使用、船員による荷役を敢行するために、ISPSコードがITFインスペクターや港湾労働者の上船を拒否するために利用される可能性などが含まれる。
  総会では、空のコンテナも検査を行わないなら保安リスクになる点が繰り返し述べられた。.
  ITF港湾労働者部会のケース・マーギス部長は、「港が恰好のテロの標的になり得ることは広く認識されている。港で働く労働者は、テロの発生を可能な限り防ごうと努力している。「港湾保安」の重要性はあまりにも高く、組合たたきや船員による自家荷役導入のための手段に濫用されることを決して許してはならない」と述べている。(ITF media release 20047月14日)

シンガポールで開催されたITF港湾部会総会での「港湾保安に関する決議」文

『港湾保安措置の濫用を許してはならない』

 2004年7月13-14日にシンガポールで開催されたITF港湾部会総会は、2004年7月1日からIMO-ISPSコードおよびILO-IMO港湾保安コードが導入されたことに留意し、港湾と港湾労働者の保安体制の改善を目指す法律や対策を導入するための一定の環境整備が必要であると認識し、
  一方で、港湾労働者として未登録の、日雇い労働者によって荷役が行われている港湾やターミナルは、IMO-ISPSコードが要件とする保安基準を満たし得ないと考え、それゆえに、ISPS基準と要件を満たしたと証明する認定書の発給を受けるべきではないと考え、空のコンテナを含む全てのコンテナが、中味の適切な検査なく輸入されることは、港湾労組にとって大きな保安リスクであり、
  ゆえに、港湾労働者が中味を検査することなくコンテナを運搬すべきではないと考え、 各国、各港湾で既に導入されているISPSコードは、組合たたきの道具や労働組合権の侵害のために利用される可能性があり、実際既に利用されていることを考慮し、特に、船舶保安計画および(あるいは)港湾施設保安計画の実施によって、港湾労働者、港湾労組の代表、ITFインスペクターの従来の業務・任務の遂行が妨げられる可能性があることに留意し、
  ISPSコードと関連国内法を、海運産業および港湾産業の組織労働者の地位を弱体化させるための道具として利用する試みがあることを遺憾に思い、ISPSコードと関連国内法が組合たたきに利用されないように注意するよう、ITF書記局が加盟港湾労組に呼びかけることを要求し、またそのような事例が認められた場合、ITF加盟組合に情報を提供し、適宜過去の情報を利用できるようにするため、組合たたきの事例をITF書記局に報告してくれるよう、加盟港湾労組に要請することを要求し、ISPSコード、関連法、特に船舶と港湾の保安計画が、従来の業務と任務を遂行する上で港湾労働者や港湾労組の代表者の権利を侵害しないよう、およびITFインスペクターがターミナルや船舶にアクセスする上で妨げにならないよう保証するための政策を策定し、活動を行うようITFに要求し、そのような活動は、安全・保安・労働者の権利に関する、より広範なITFキャンペーンの一環として考えられるべきことを強調する。

   イスラエル港のストライキ: 広がる支援の輪

 シンガポールで開催されたITFのFPC(公正慣行委員会)は、7月15日、全世界の港湾労組に向け、イスラエル港で進行中のストライキを回避するためにイスラエル港から移動してきた船舶の荷役を行わないよう呼びかける要請文を発行した。ITFによると、リマソル港は既にそのような荷役を行わないことに合意している。ストライキが進行しているイスラエル港からヨルダン港へ回される貨物に関しても問題が生じる可能性があるとITFは報告している。ヨルダン労組連合のマゼム・マヤター書記長は、「シャロン政権に抗議し、イスラエルの貨物の取り扱いをボイコットすると決定したアラブ諸国労組の取り決めに従い、ヨルダンの組合は、イスラエル籍船およびイスラエル港向けの船舶の荷役を行わない」と述べている。イスラエルの労働者は、港湾の完全民営化計画に伴う労働協約の取り消しに抗議してストを行っている。(ITF media release 20047月15日)

インドの港湾労働者の勝利

 インド南部のチェンナイ港で発生した港湾労働者のストライキが65日に終結し、経営側は解雇された4名の組合指導者の復職を約束した。チェンナイ・コンテナターミナル社(CCTL)で働くCCTL企業職員組合の組合員約300人は、賃金交渉の最中に組合の委員長など組合指導者4